自分らしく

〈バレエへの招待〉(3)バレエは総合芸術

上演には巨額の費用がかかる

既にお好きな方は別として、バレエについての一般的なイメージは、「チケットが高い」「公演時間が長い」「衣装が恥ずかしい」などといったところでしょうか。衣装のことはともかくとして、チケットが高くて公演時間が長いのは事実です。でも、それには理由があるのです。

バレエの公演にはお金がかかります。大道具や小道具、音響、照明といった舞台芸術に必須な要素のほかに、作品によっては巨大な舞台装置、使いまわしのきかない特殊な衣装、さらにはオーケストラや合唱の生演奏がつくことがあります。これだけでも巨額の費用がかかることがわかりますよね。

身体表現でストーリ-を語るには

公演時間が長いのは、もともとの作品が長くできているせいもあります。3大バレエと呼ばれる『白鳥の湖』『くるみ割り人形』『眠れる森の美女』は、どれも全幕できちんと上演するとなると3時間前後かかります。これらの物語を踊りだけで表現するには、それだけの時間を必要とするのです。

作品の設定にのっとった舞台装置のなかでそれぞれの役柄の衣装をまとい、
音楽に合わせて何人ものダンサーが躍りだけで物語をつむいでいく━━。バレエが単なる踊りの集合体ではなく、「総合芸術」といわれるゆえんです。

ダンサーの華麗な動きを堪能したあとは、舞台装置や衣装にも目を向けると、何か別のものが見えてくるかもしれません。

サポーター

加集 大輔
加集 大輔
お笑いバレエ・ライター。
子どもの頃からの憧れだったクラシック・バレエを30代から習い始める。この経験をもとにバレエ誌に寄稿するようになり、その後、バレエ関連のライターとして活躍中。

プロフィール