自分らしく

〈バレエへの招待〉(4)バレエの種類いろいろ

ヨーロッパの宮廷で誕生・発展

バレエは「ルネサンス期のイタリアで、貴族が宮廷で躍ったダンスが起源」といわれています。その後、その踊りはフランスに伝わり、17世紀にはルイ14世がバレエに熱中し自ら踊ったばかりでなく、王立舞踊アカデミーを設立、指導法や記譜法を確立させました。

18世紀後半になるとロマン主義が流行し、バレエもその影響を受け、「ロマンティック・バレエ」と呼ばれる一連の作品が生まれました。『ラ・シルフィード』『ジゼル』などが代表的な作品です。バレエの代名詞ともいえるトウ・シューズも、この頃から使われるようになりました。

19世紀後半にはロシアに伝わった「ロマンティック・バレエ」が独自の発展を遂げ、『白鳥の湖』『くるみ割り人形』『眠れる森の美女』などの、今日よく知られている作品が数多くつくられ、後にこの時代の作品を「クラシック・バレエ」と呼ぶようになりました。今日に続くバレエ作品の標準的なスタイルが定まったのも、この時代です。

「クラシック・バレエ」の後を継ぐもの

20世紀になると、決まりごとの多い「クラシック・バレエ」を嫌い、もっと自由に踊りたいという欲求から「モダン・ダンス」が誕生しました。アメリカのイサドラ・ダンカン、マーサ・グレアムなどがその代表例で、それに刺激を受けて逆移入するかたちで、ロシアのミハイル・フォーキン(振付師)などが新たなバレエ作品を創作しました。

今日では、新たにつくられたバレエ作品はコンテンポラリー作品と呼ぶのが一般的です。筆者のおすすめは、ウヴェ・ショルツが振り付けた『ベートーヴェン交響曲第7番』。バレエの伝統的なテクニックを踏襲しつつも、それらがクラシック作品ではありえない驚異的なスピードで展開する舞台からは、一瞬も目が離せません。

サポーター

加集 大輔
加集 大輔
お笑いバレエ・ライター。
子どもの頃からの憧れだったクラシック・バレエを30代から習い始める。この経験をもとにバレエ誌に寄稿するようになり、その後、バレエ関連のライターとして活躍中。

プロフィール