乳がん生活:患者力:患者力アップのヒント

〈乳がん〉早期発見のために

〈乳がん〉の早期発見には定期検診とセルフチェックが重要だといわれますが、私の場合もちょっと意外な形でこの二つがステージ1の発見につながりました。

定期検診結果

40代に入ったころから、毎年マンモグラフィ検診(一方向)を受けていたのですが、精密検査に引っ掛かることもなく過ごしてきました。それが一昨年の検診で「左乳房カテゴリー3(乳がんを否定できず)」の結果を受け、別病院でマンモグラフィ(二方向)とエコーの検査を受けました。しかし、このときも両胸ともに異常なしの診断を受けたので、「なんだ、心配して損した」くらいの気持ちでいたのです。

しこりの発見と確定診断

ところがそれから5か月後、布団に寝転んでいるときにたまたま右胸の小さなしこりに指が触れたのです。腕を下した状態だと触ってもほとんどわからないくらいですし、前回の精密検査はクリアしていたので、半信半疑の状態です。でも、検査を受けた病院では経過観察として次の予約も入っていたので、少々予定を早めてもらって再度精密検査を受けました。

今度は1センチにも満たないとはいえエコーで明らかにしこりの様子が見て取れたので、その場で針生検。1週間後にはあっさりと「右乳房に浸潤がん」の確定診断を受けることになりました。5か月の間にエコーでも見つからなかったしこりが、小さめとはいえ触ってわかるほどの大きさになっていたのには驚きましたが、反対側の胸がきっかけとはいえ既に乳腺外科に通院していたので、受診にハードルが全くなかったのは幸いでした。

セルフチェックは気軽に始める

ただし、先にも書いたとおり私がしこりに気づいたのはあくまでも偶然で、セルフチェックはほとんど行っていませんでした。確かに、ちょっとネットを検索しただけでも「乳がんセルフチェックの方法」「自己検診で乳がん早期発見!」といったサイトは簡単に見つけることができます。親切なサイトほど詳しいやり方が載っており、〈乳がん〉経験者となった今は「なるほど!」と納得のいく説明です。

しかし(少々情けない話ですが)、発症以前の私は何となく面倒に感じ、やり方にも自信がなかったのです。もしも私と同じように感じている方がいらしたら、ぜひとも最初は「左右を比べる」だけに意識を向けてチェックしてみてください。というのも、両胸の全く同じ場所に全く同じ異変が同時に起きることはまれだからです。

気軽に始めて習慣になったらしめたもの、詳しい解説が載ったサイトを覗いてみることをお勧めします。

早期発見の重要性

このように、私の場合定期検診で(右胸の)がんが直接見つかったわけでもセルフチェックを定期的に行っていたわけでもありませんでしたが、偶然しこりを見つけ、検診を受けていたおかげで診察も素早くスムーズに受けることができました。

早期発見のメリットは何といっても転移のリスクが減ること。これは命にかかわります。そして、治療方針や手術方法も早期であればあるほど一般的には負担が軽くなります。「恐れるべきはがんではなく、がんを放置しておくこと」を肝に銘じ、友人知人にも定期検診やセルフチェックを説いて回る今日この頃です。

サポーター

田原真理
田原真理
大学卒業後、数年間、金融会社に勤務。その後、日本語教師を目指すも挫折。専業主婦、子育てを経て、現在はコンサルティング会社で主に経理業務を担当。
2021年に〈乳がん〉の診断を受け、右乳房全摘。2022年初よりホルモン療法中。

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