自分らしく

〈首都圏枝毛線巡礼〉(7)京王電鉄競馬場線

競馬のない日はローカル線

筆者はギャンブルをたしなまないのですが、今回、生れて初めて競馬場というところへ足を運びました。『京王線』の『東府中駅』の端っこに位置する短いホームから、『競馬場線』が発着します。わずか1kmにも満たない距離なのに堂々たる複線が連なり、2分も走ると『府中競馬場正門前駅』に到着します。競馬が開催されない日には、たった2両編成の電車が行き来するだけのローカル線のような路線ですが、競馬開催日には8輌や10輌編成の電車が新宿方面へ直通するそうです。

恐ろしくだだっ広いホームから改札を抜けると、すぐそこが『東京競馬場』の入場ゲートです。駅の名前は『府中競馬場』ですが、施設の名前は『東京競馬場』。謎ですね。金色に輝く馬の像が、訪れる人を出迎えてくれます。ただ取材日は競馬が行われていなかったので人影はなく、入り口もシャッターが閉ざされていて閑散としていました。

競走馬の供養塔も建つ

ゲートの横の坂を下り、競馬場通りを少し西に歩くと、おや、不思議なものがありますよ。『馬霊塔』と書いてあります。調べてみると、競走馬の供養のために建てられたものだそうです。その左右に、競走馬の名前を刻んだ墓石が並んでいます。競馬ファンには懐かしい名前の馬もあるようですが、筆者にはぜんぜん分かりませんでした。

さらに西へ歩くと、『妙光院』があります。真言宗の古いお寺で、859年創建だそうです。ご本尊は地蔵菩薩様らしいのですが、本堂の扉は堅く閉じられていました。

おみやげは、府中の駅ビルの中にある『くりこ庵』の『たい焼き』です。いろいろな種類のなかから『濃厚カラメルのカスタードプリン』を選びました。ああ、口福々々。

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老田道夫
老田道夫
フリーの編集/ライター。
主なフィールドはバレエ、鉄道、鉄道模型、70年代プログレッシヴ・ロック、古代史など。
近年は自費出版原稿のリライト、編集を主に手がける。好きな言葉は「棚からぼたもち」。

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