乳がん生活:患者力:頼れるプロ

「湿邪」を元気よく乗り越えるコツ

自分のご機嫌は自分で守る

鍼灸師、ケアマネージャーの村中です。

6月に入りました。6月といえば気温変動の激しい時期であり、また梅雨によるジメジメとした気候が体力、そしてやる気を奪っていきます。この長引く雨などによる湿気などによって引き起こされる不調を、東洋医学の言葉で「湿邪」と呼びます。

「湿邪」は特に胃などの消化器官に影響を与えることが多く、胃の働きを落とします。そうすると水分代謝が悪くなり、むくみを起こしたりお腹の膨満感、食欲不振などに陥りやすくなります。また、胃などの消化器官は食べたものを栄養にし、エネルギーにする役割がありますので、疲れやすくなったり気分が落ち込みやすくなったりするなどして、心にまで影響を与えることも少なくありません。

よってこの時期は普段元気な人でも落ち込んだり、しんどくなりやすい時期といえます。そんな時期を少しでも元気よく乗り越えるために、いくつかのコツをお教えしていきます。

正しい水分摂取を心がける

まず水分を摂り過ぎないことが必要になってきます。先ほど述べたように、「湿邪」の一番のやっかいな点は体のなかに余分な水分がたまることによって消化機能が衰え、むくみ、そして冷えや便秘に繋がってくることです。このような状態を予防するため過剰な水分摂取を控える必要があります。

たとえば食中、食後2時間以内に大量の水を飲むことはあまりおすすめできません。食中、食後すぐに大量の水を飲むと胃液が薄められ、胃の活動が低下してしまう恐れがあるといわれています。逆に寝る前などは全身の水分代謝に関わっている腎臓の働きが弱まりますので、コップ一杯程度の水を飲むことをおすすめします。

食生活により体内の不要な水分を排出する

水分や塩分を排出してくれる栄養素としてカリウムがあります。このカリウムが含まれる食品をきちんと摂ることが重要になってきます。カリウムを多く含む食品の代表はバナナ、里芋、ひじきなどです。これらをうまく食生活に取り込めば体内の「湿邪」を効率よく解消し、身も心も活発に過ごせることが期待されます。

自分のご機嫌は自分で守る

雨の日が続いて「嫌だなー」と思うこともあると思います。でも悪天候や周りの環境によって自分が苦しむ必要なんて本当は何もなくて、この時期に雨が降り続くことは何千年も続いてきた自然の習わしであり、それは自分の力でどうこうできるものではありません。そういったことに頭を悩ますよりも、食生活や生活環境を整えて毎日を機嫌よく過ごしていきましょう。

サポーター

村中僚太
村中僚太
鍼灸師・ケアマネージャー。
国立大学法人筑波技術大学卒後臨床課程卒。豪華客船鍼灸師としてディズニークルーズなどに勤務、延べ4000人の外国人を治療。2019年よりコーカサスの小さな国ジョージアに渡り、日本人初の鍼灸院を開業。

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