自分らしく

うぃず ころな

うぃず ころな

息が楽か 声が届くか
きれいに見えるか
マスクの研究

つり革につかまらず
電車の揺れにも負けない
立ち方の研究

マスクで挨拶
気づいてもらえず
マスカラの研究

離れていても
心を繋ぐ方法なら
楽しい研究

長くなっている“with Corona“。医療や科学の最前線では、たくさんの方々が日々ワクチンや薬の開発研究に力を注いでいることでしょう。きっと、気の遠くなるような試行錯誤や緻密な作業、計算や実験、チームでの討論。想像をはるかに超えた大変な努力をされているに違いありません。

私はと言えば、詩に書いたように今のところ自分のためにばかり小さな研究や実験を重ねています。検索をしてみると、ネット上に実にさまざまな個人研究結果が披露されているので、驚きました。

仕事では、大学生たちとソーシャルディスタンス・ダンスを探求し始めました。最初はフォークダンス。大きな声でステップをコール、パートナーチェンジのたびに笑いあい、密接に組むフォークダンスを、果たして密にならずにできるでしょうか。

まずは、数倍大きな二重円を作り、マスクをしたままパートナーと3m離れて向かい合って両手を差し出し繋いだつもり。リズムを合わせて同じ方向にステップすれば、もう気持ちがそろって笑顔がはじけます。腕を組んで回るところは孤独に各自その場回りでと思ったら、さすが体育大生、お互いのいた位置までダッシュ、ちゃんとUターンして元に戻り、音楽に間に合うのです。パートナーチェンジは、しっかり相手の目を見て「よろしく~」のアピール。離れていても心はぐっと近づき、実験成功。

もう一つ挑戦したのが、自分の周りにマーカーを4つ置いて、3m四方の空間を体得するダンス。“Hey What’s Up?“(by錦戸亮&赤西仁)にノって踊り続けます。はじめは4つの辺の上だけを歩いたり、走ったり、スキップしたり、その広さと形を把握。続いて四方の見えない壁を上から下まで窓拭きするように踊ります。精一杯体を伸ばしたりうんと低くなったりして窓拭きダンスをしていると、本当に透き通った壁に囲まれた部屋が見えてくるから不思議です。

次に3m四方の床を埋めるように好きなステップで踊りまくります。このままでは孤独なので、隣の部屋の仲間と動きをまねし合います。大きく踊らないと伝わらないので、みんなのダンスはどんどんダイナミックに。最後にそれぞれの部屋を飛び出して、絶対に仲間と3m以内に近づかないでアリーナ中を自由に動き回ることに挑戦しましたが、これはちょっと失敗。「やはり、ついつい人に寄っていくのが人間なのだなあ」と思いました。

これから、毎回学生たちといろいろな実験をして、離れていても気持ちや思いを繋ぐダンスを研究します。

サポーター

みやもと おとめ
みやもと おとめ
詩人。
本業は体育大学・ダンス学科教員。大学生たちがダンスを好きになり、さらに自信をもって子どもたちにダンスを教えられる指導者として育つことを願い、教育と研究に取り組む。

プロフィール