乳がん生活:患者力:頼れるプロ

これが万病のもと!? 砂糖と〈がん〉の研究

パーソナルトレーニングと鍼灸治療をしている塩川です。

秋といえば、皆さま、何を思い浮かべますか? 私は旬の食材を使ったケーキが大好きで、モンブランやカボチャのケーキを思い浮かべます。そんなケーキに使われている砂糖。最近の〈がん研究〉では、この砂糖が注目されています。そこで今回は、砂糖がどのようにがんと関係しているのか、どのように対処すればいいのかを、できるだけ簡単にご紹介しましょう。

砂糖が〈がん〉を生み出す経過

(1)血管を傷つける
砂糖を摂取すると分解され、ブドウ糖になって血中に広がります。これを「血糖」というのはご存知かと思います。血糖値が高くなると、インスリンが出て血糖値が下げられます。さて、インスリンはどのように血糖値を下げているのでしょうか? 実は体内にある脂肪に取り込むことで血糖値を下げます。

短期的な糖分の摂取は、脂肪に蓄えられ大きな問題にはなりません。しかし長期間、大量の糖分を摂取すると、インスリンの供給が間に合わなかったり、インスリンへの抵抗力が付くことで血糖値が高くなります。すると血液はドロドロになり、血管を傷つけることになります。

(2)活性酸素を生み出し、細胞の柔軟性をなくす
「体のサビ」ともいわれる活性酸素は研究で老化や〈がん〉の原因になることがわかっています。活性酸素はタンパク質とブドウ糖が細胞内で結びつくことで生み出されます。結果、細胞はサビつき、柔軟性のない塊となり、正常な機能を失います。

(3)細胞の修復が間に合わず、〈がん細胞〉になる
(1)と(2)の状態が長期的に続くと血流が悪くなり、細胞に栄養が運ばれなくなります。さらに免疫力や回復力も下がるので細胞自体が死んでしまったり、〈がん化〉していきます。

 

正しい対処法

以上の3点が〈がん細胞〉を生み出す経過となります。では、正しい対処法は以下のどれでしょう?

(A)食物繊維を取る
(B)運動をする
(C)甘いものを控える。

正解は(A)と(B)です。

(A)は糖分の急激な吸収を抑えたり満腹感を早く感じさせることで、余分なインスリン放出を抑え、内臓の負担を低下させます。

(B)の運動はストレスを下げたり、脳への血流量を増やすことで思考力や記憶力を上げます。さらに脂肪や糖分を使ってエネルギーを生み出すため、とても効率の良いデトックスになります。1日15分の運動で十分効果を発揮しますから、ぜひ、お試しください。

(C)は不正解ではありませんが、甘いものは脳にとって麻薬と同じくらい中毒性のあるため、控えることが難しいかもしれません。また、甘いものを食べたときの罪悪感や我慢したストレスを積み重ね、その反動でバカ喰いすることもあるので、無理に控えることはお勧めしません。甘いものを控えるのではなく、フルーツなど食物繊維も取れて甘味のある食材に置き換えることで、ストレスなくインスリンの大量放出を抑えることができます。

いかがでしたか? 〈がん研究〉は日々進んでおり、2035年にはほとんどの〈がん〉が治癒可能になるともいわれています。しかし、治療法の確立を待つだけでなく、日頃から健康的な体づくりを意識することも大事だと思います。

サポーター

塩川大輔
塩川大輔
1988年1月1日生まれ。
鍼灸師免許取得後、都内の鍼灸整骨院や病院、デイサービスで働くと同時に、先天性心臓疾患の子どもたちに施術や運動療法を行う。病院勤務時代には、末期癌患者様への緩和ケアを経験。
現在、パーソナルトレーニングと鍼灸マッサージでコンディショニングを整える『TEETER TOTTER』に所属。休日には、『EURO football academy』のGKコーチ兼トレーナーとして活動。

プロフィール