自分らしく

ダイエットにチャレンジ

今の原形は福岡時代につくられた

30代に入ったころ、福岡に異動になった。人口約150万人のこの街は、都市機能のほぼ全てを備えた活気のある楽しい場所だ。夕方になると、中州や天神のネオンや暖簾が恋しくてソワソワ。「ゴマサバ、あぶってかも、おきゅうと」など初めて見聞きする肴を楽しんだり、「信長、秀吉、家康」など戦国武将の名の串焼きを食べ比べしたり。

福岡は、夏でも冬でも「なべ物」が美味しい。「ふぐ鍋」や「あら(クエ)鍋」にはなかなか手が出ないが、「もつ鍋」や「鶏の水炊き」は老若男女のソウルフードといっても過言ではあるまい。さらにパリパリの鉄鍋餃子、明太子の入った出汁巻き卵、呼子のイカ刺し、鯛茶漬け…あれも食いたい、これも飲みたいと考えているときりがないのだが、もちろんシメは屋台でラーメン! 「小金ちゃん、一龍、横綱」などなどだ。

転勤から1年ほど経ったころ、支社でのイベント開催のために東京から先輩が出張してきた。支社総出で応援し、夕方は打ち上げの懇親会。ほどよく酔いが回ったころ、
「ところで、今日は伏見くん、来てないの」と眼の前の先輩。
「あの~僕ですが」と私。
「なに~、あんまり立派な体格だから、気がつかなかったよ!」

会場、大爆笑…。九州の本格焼酎をお供に爆飲爆食の日々だったが、本人は至って元気で毎日楽しく暮らしていた。ただ、1年で10キロ以上の増量が人相まで変えてしまっていたのだ。今の原形は、あの1年間ででき上がってしまったんだよな~。

いつのまにか高血圧

福岡時代の体重のピークは、85キロ。靴ひもを結ぶのも苦しいくらい。あのころからやや減量したが、ほぼ四半世紀も「太った人」のままだ。それでも数年前まで、健康診断で引っかかることはなかった。

しかし、3年前の春の健診で、高血圧や中性脂肪、コレステロールにイエローカードが。
「週に5日、休肝日にしますか? それとも、降圧剤を服用しますか?」と会社の産業医。降圧剤を飲み始めると、一生飲み続けなければいけないという誰かの言葉を思い出した。
「いやいや、頑張って減量して血圧下げますよ」と私。

「夜にお米のご飯を食べない」を宣言! といっても、ほぼ毎日飲んでいるお酒がなかなかやめられない。以前のように暴飲暴食はしなくなったけれど、お酒を飲むと肴がすすむ。1か月で1キロ減量すれば1年で12キロ減量という目論見は到達できず、秋の健診でもイエローカードで呼び出しがきた。
「動脈硬化が進んでしまうと、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まりますよ」と産業医。
「先生、降参です。お薬ください」

以来、3年ほど降圧剤を服用している。なんとか「正常高値血圧」のレベルをキープしているが、なかなか正常値に届かない。そうこうしているうちに肩が痛い、腕がしびれる、腰が痛いとあちこちきしみ始めてきた。どうしよう?

一念発起ダイエット

「パパ、ご飯を食べる前にこれを飲んでみて。朝と夜にね」
と妻が出してくれたのが、今、流行りらしい野菜スープだ。調味料は塩も醤油も加えていないので、なんとも味気ない代物だった。キャベツ、玉ねぎ、人参、かぼちゃの4種類に水を加えて煮込むだけ。
「う~、病院食みたいだ~」
と入院したこともない私は、うなりながら野菜スープを飲んで食べた。晩御飯もまずは丼でスープから。さすがにお酒はそんなに入らない。翌朝も野菜スープから。夕食もまたスープから。晩酌を控え、野菜スープを続けているうちに、体重が減った! 嬉しくなってお酒を飲まなくても平気になってくる。それになんだか薄味の野菜スープも慣れてくると、しっかり味が感じられるようになってくる。

1か月で約3キロの減量。空腹を我慢することもなく、昼食は今までどおり普通に食べている。実は、たった3キロだが血圧にも効果が表れ始めた。こうなるとダイエットもおもしろい。難行苦行は嫌だが、脂っこいものはあんまり食べないくらい平気。昼食をしっかりとれば、間食もしないで済む。

あとは、「ほぼ毎日」いただいていたお酒。産業医の先生の注文のように「休肝日週5日」にしようかな。毎月3キロ減で1年に36キロ減ることはないと思うが、少なくとも福岡に行く前のレベルに戻るまで頑張ってみようかなと思う今日この頃。

サポーター

伏見英敏
伏見英敏
1959年5月生まれ。
三陸食べる観光主宰/キャリアコンサルタント/日本健康太極拳協会準師範
人の話をじっくり聴くのが好き。そこに魚介類の肴と日本酒があれば、HAPPYです。

プロフィール