自分らしく

メンタルケア~色が心を癒してくれるとき~

今、気になる色はありますか?

日本中で自粛生活が続いています。体調管理だけでなくメンタルケアも大切な今、色を活かしたメンタルケアについてお話したいと思います。

最初に、最近あなたが気になる色、よく目につく色はありますか? 私たちの周りには多くの色がありますが、そのなかで一色注目する色があるのなら、それはきっとあなたの心が求めている色なのかもしれません。

五月だけの色、新緑の緑

私が今、よく目につく色は緑。薫風にそよぐ新緑は、草木の種類、日光の当たり具合によってたくさんの緑があり、歩いているとつい足を止め、写真を撮ってしまいます。私のカメラロールのなかには、五月だけに味わえる美しい草や葉っぱの写真がたくさん保存されています。そんな写真を時々見ては「きれいだな」と眺めるのも楽しみのひとつ。

私にとっての緑はどんなイメージ?

私は普段、色彩心理をベースにしたワークショップを行っています。そんな職業柄か自分が気になる色があると、気持ちとの関係性を考えてみます。色彩心理的な視点で見ると、ビビッドな緑には多くの人が「安定」「健康」を、パステルトーンの緑には「穏やかさ」、ディープグリーンには「充実感」などの言葉を思い浮かべるそうです。
(出典:『事典 色彩自由自在』 末永蒼生著 晶文社出版刊)

では私の心のなかはどうでしょうか? 私は今、新緑を見ていると自然と深呼吸ができ、気持ちがリフレッシュします。コロナのことで心がギュッとなってしまいがちな今、毎朝、緑を見るルーティンは欠かせません。また緑を見ていると、幼いころ、母の庭の手入れを手伝っていたことを思い出します。自宅で英語を教えていた母は普段はしゃきっとしていて、子ども心にも近寄りがたい雰囲気でしたが、植物の世話をしているときは優しい表情になり安心感がありました。その記憶とつながる緑は、今も私の大切な色のひとつなのです。

色には人それぞれ、意味がある

このように、ふだん何気なく見ている色。しかし、どうしてその色が好きなのか、気になるのか…。そのことについて考える意識を心の隅に置いておくと、ある日、その色に繋がるあなただけの記憶が蘇ってくるかもしれません。そして色と記憶が結びついたとき、その色はきっとあなたにとって「大切な色」「癒しの色」のひとつになるのだと思います。

この色を活かしたメンタルケアを実践する第一歩として、皆さんも明日からぜひ、身近な色に意識を向けてみてくださいね。

サポーター

杉原佳子
杉原佳子
色彩心理カウンセラー。カラーワークショップ・コーディネーター。
『色彩学校』の講師、事務局などを経て、現在は『アトリエNEST』(Facebookページあり)主宰。色彩の心理的効果をベースに、子ども、大人、シニアを対象に、また2007年に乳がんに罹患した経験から、病気経験者と共に心身のケアに役立つカラーワークショップやセッションを企画・実施。2016年に『色彩学校』の同期と立ち上げた『チーム彩時気』では、色、季節感、人の心を大切にしたワークショップを年に数回実施中。趣味は料理、手しごと、映画、ゴスペル、旅をすること。

プロフィール