自分らしく

ユニークなお酒造りの蔵元を訪れて

自然酒という名のお酒

昨年、「SAKE DIPLOMA」という日本酒の資格を取り、日本酒に以前よりも興味をもつようになりました。お酒は身体には悪ともいわれますが、一方で昔のお酒は「百楽の長」としていわれていたこともあります。そんな折、とあるイベントで千葉県に江戸時代初期から続く老舗のユニークな酒蔵があるということを知り、2月上旬に開かれた蔵の解放イベントに行ってきました。

寺田本家

その蔵元は寺田本家。現在、24代目の当主が杜氏も兼ねております。ここのお酒造りがユニークなのは、使用する米が無農薬自然米、そして酒造りに欠かせない酵母は、蔵に昔から住み続ける蔵付き酵母のみを使うという点です。なんでも先代の当主が病に倒れ、そのときから、身体に良い酒をつくろうと今の造りのスタイルになっていったそうです。

多くのお酒が、精米歩率も高く(あまり削っていない)、生原酒のものが多いという点も特徴的でした。現在の酒造りでは、いかに精米するかに力点が置かれている造りが多いなか、本当にユニークな立ち位置だと思いました。製麴室にも普通は人を入れないのですが、この蔵は皆さんどうぞ、と見学をさせてくれる。あるいは、蔵に入るときは納豆厳禁(納豆菌が強すぎて酒造りの邪魔をするといわれている)なのに、それもない、むしろ「さまざまな常在菌が混ざり合うことで、よりお酒もよくなる」という考え方のようでした。

もはやお酒とは言えない『むすひ』

7種類のお酒を試飲させていただきましたが、もっとも衝撃的だったのが『発芽玄米酒むすひ』です。これは、発芽玄米で醸造したお酒。正直、日本酒とはかけ離れた強い酸味で、本当に薬のような味わいでした。火も入れてないので、乳酸菌や酵母が生き続けて、日々風味も変化していくそうです。

発酵料理のカフェも

そして蔵のすぐ近くに、酒粕や発酵調味料を用いた身体にやさしい料理を紹介する『うふふカフェ』もあります。ここでランチをいただいて、蔵を後にしました。

微生物、さまざまな菌がもつ、身体にいい効果はまだまだ計り知れないものがあるかと思います。ですが、この蔵のお酒は自然の発酵だからこその「菌本来の力」が発揮され、その多様な微生物が生み出すものが生命力あふれるお酒の源となって、私たちの身体にも良い影響を与えているのではないかと感じました。

サポーター

渡邊亜紀
渡邊亜紀
26年間の百貨店勤務→4年間の中小小売企業の役員→2023年4月から鍼灸師を目指して専門学校に入学。百貨店在職期間中はビューティ関係に関わる期間が長かったため、インナービューティ、健康への関心が高く、その結果鍼灸師になりたいと思い学生になりました。趣味は日本舞踊(正派若柳流)で名取取得しています。その他、旅行、着物、醸造酒(ワイン、日本)も好きで、SAKE DIPLOMAの資格も取りました。

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