自分らしく

子どもに〈がん〉のことを話す

子育て世代のがん患者

『がん患者とその子どもの人数・平均年齢』(全国推定値)調査結果によると、1年で新たに〈がん〉と診断される人のおよそ15人に1人が18歳未満の子をもつ【子育て世代】といえます(2015年国立がん研究センター発表)。平均年齢は父親47歳、母親44歳、子ども11歳。そんなお家に〈がん〉が突然やってきたら…病気そのもの、家庭、経済面の悩みと並んで「子どもにどう話すか」ということも、子育て世代にとっては大きな悩みではないでしょうか。

子どもは敏感

余計な心配をかけまいと子に病気のことを話さない親は少なくありません。でも、子どもは大人の想像を超えて敏感で瞬時に異変を感じ、疎外感を覚えるのです。そして、親が知らないところで漠然とした不安を抱え傷ついてしまいます。「どうして話してくれないの」「なんで入院するのかな」「いい子にしてない自分のせい?」「お家のなかなのに、どうして帽子をかぶるの」「何で一緒にお風呂に入ってくれないの」…きちんと説明する必要があるのではないでしょうか。

3つのC

米国のM.Dアンダーソンがんセンターでは、「子どもに親のがんをありのまま話そう」という趣旨のプログラムKNIT(Kids Need Information Too)が整備されています。そこでは子どもに話す際のポイントとして【3C】を掲げています。
①Cancer がんであること
②not Catchy うつらないこと
③not Caused 誰のせいでもないこと 

いくつかのNPO法人や医療ソーシャルワーカーなどの専門家も、親が子どもに〈がん〉のことを話す際にこの【3つのC】をポイントにすることをアドバイスしています。

子どもの年齢、理解力、親の病状によって使う言葉は変わってくると思います。手術 → 悪いところを取る、抗がん剤 → 時間のかかる注射、放射線治療 → 光線ビーム。これらは、悪性リンパ腫診断のとき3歳、乳がんのとき5歳だったわが子に使った言葉です。そんな息子も今では小学生。文科省が「がん教育」全国展開を目指し、学習指導要領の明記から今年で5年目です。今後、学校でどのように学んでくるか関心をもって見守り続けていきます。

サポーター

MEG
MEG
キャビンアテンダントとして20数年勤務したエアラインを退職し、求職活動中。
ワンオペ育児・両親の介護・左乳房に発症した2つのがん(悪性リンパ腫/乳がん)と向き合う。抗がん剤、髄注、手術、放射線治療を経て、アロマターゼ阻害薬でホルモン療法中。
要介護4の実父、要支援1の実母、子どもは小3男児。趣味は9㎏減量に成功したフラダンス。
BEC乳がん体験者コーディネーター認定。令和元年度実施の国家試験で保育士資格取得。

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