自分らしく

植物の力

色の力

太陽光をプリズムに通すと、7色の虹色に分光できます。波長が一番短いものが紫。そして藍、青、緑、黄、橙、赤の順で長くなります。物の色は、光が物体から反射した色として見えているのです。たとえば、黄色のグレープフルーツが黄色に見えるのは黄色の波長の光を反射しているからで、それ以外の光はグレープフルーツに吸収されています。グレープフルーツにとって、黄色以外の波長の光が必要で、黄色の光は不必要な波長の光なので反射しているのです。

同様に、植物の葉は緑以外の光を吸収し、緑の波長の光を反射しているといえます。この世のすべての生き物の命の源は光で、その光のなかからそれぞれ必要な光の波長を選び、不必要な波長を跳ね返しています。跳ね返したその光が人間には「色」として見えているというわけです。

人間が洋服の色など身の回りの色彩にこだわるのは、脳が発達した人間特有の世界があるからです。特に人間には喜怒哀楽の感情をはじめ、体調を整える営みにおいても、そのときどきに必要な色彩のエネルギーを吸収する科学的フィルターを備えているといわれています。嬉しいときにはその感情を増幅するような色(ピンク色)に心地良さを感じます。また、辛いときにも、その辛い感情を吐き出させてくれるような色(淡い紫色)に、人は快感(癒し)を覚えます。

好きな色とそのときどき直感で選ぶ色は違う

好きな色とは、自分の意識のなかで知っている性質や特徴を表している色 、本質を表す色、思い込みの色といわれていますが、ときどきにおいて好みの色が変わります。あるとき、直感で選ぶ色は潜在意識のなかにあるもので、心のバランスを取るのに必要な色といわれています。つまり、人間はそのときどきの心と体の調子に合う波長の色を本能的に求めていると思われます。色のパワーを利用して、自分の心に変化を起こすことができるのです。

フラワーセラピー

植物・花には、さらに色以上のパワーが備わっています。色をもつ花には、その個々がもつフォルムやイメージ、さらには香りもあり、色彩セラピー以上の効果があります。それが「植物の力」です。

もし、あなたが、心身疲れていてやる気を失っていたら、柔らかい緑色やミントグリーンの観葉植物やハーブを身近においてみたらいかがでしょう。緑色には調和やバランスを取る効果があるといわれています。レモンバーム、ローズゼラニウム、ミントには色だけではなく、香りからも優しい刺激を得られます。あるいは、毎日の生活に疲れ雑な生活を送っているなと思ったら、パープルとブルー系ピンクの花でエレガントな気分を演出してみませんか? 何かを新しく始めようと決意をしたときでしたら、赤い花が背中を後押ししてくれるでしょう。赤は火の色であり、古代から人間のエネルギーに刺激を与える色なのです。

または、色に拘らず季節の花や枝物を身近に置くのも良いかと思います。その季節に精一杯生きている植物から得られる力は絶大です。蕾が膨らみ、花が開き、枯れていく姿そのものが生命力の現れです。

花屋さんの店先に立って、直感で感じる好きな花を選ぶことが、そのときにあなたの心と体が求めている花なのかもしれません。   

サポーター

落合邦子
落合邦子
フラワーデザイナー。
「女性が一生続けられる仕事は?」と思い、6年間の会社勤めを辞めて花の仕事を始動。フラワースクール、ウェディングブーケ、空間装飾の業務を続けるなか、介護が必要となった両親やがん治療中の家族などを通して花や植物のもつ力に注目。また、天然香料のアロマフレグランスの調合も実践。

有限会社アトリエオルタンシア 代表取締役
2014年 パリにて個展開催
2017年 パリの美術展Salon des beaux arts の招待作家として出展し、審査員特別賞を受賞

プロフィール