自分らしく

気づいたら

気づいたら

夏を惜しむ花火の様に
彼岸花がたくさん
咲き出していました
空に向かって
少し斜めにそろって
はじけています

スーパーでは
ゴーヤが2割引でした
買って切ったら赤い種
緑の中で
こっそり色づき
外の木々より
早い紅葉です

春が始まったと思うと、もう春物のバーゲンセール、夏が始まったと思うと、もう「夏物売り尽くし」の文字。そんなふうに、街やネットのなかは常に季節先取り傾向です。

ところが実際の生活では季節先取りどころかいつまでも衣替えができなくて、急な気温の変化にあわててしまい込んであった洋服をひっぱり出すことになります。日常生活に追われていると、「時の移り変わり」や「季節の変化」を感じる力が鈍ってしまうのかもしれません。

毎日欠かさず、季節の写真をツイッターにあげている友人がいます。とりわけ空の写真が多くなっています。先日のツイートでは、地面近くからグンと見上げたひまわりがエネルギーはあるけれど花びらが少し揺らめいていて、その向こう側の真っ青な空に流れている雲に風を感じて、瞬間「あ、夏は峠を越したのかも」と思いました。彼女のツイッターにつながっている人たちの多くがやはり、毎日の風景を日本全国からアップしていて、この季節ならではの発見がキラリと光っています。毎日、カメラで素敵な瞬間を見つけ出そうとしていれば、季節の変化をいち早く感じることができるのかもしれません。

相変わらずいろいろなことに追いかけられそうな9月ですが、「外に出るときには思ったよりもゆっくり歩いてみよう」と考えました。

サポーター

みやもと おとめ
みやもと おとめ
詩人。
本業は体育大学・ダンス学科教員。大学生たちがダンスを好きになり、さらに自信をもって子どもたちにダンスを教えられる指導者として育つことを願い、教育と研究に取り組む。

プロフィール