自分らしく

泡立つ

泡立つ

しゅわしゅわしゅわ

サルスベリの花が
枝先から
わき出しています

入道雲が
屋根の向こうで
膨らみます

日が暮れたら
黄金色のビールも

毎日危険な暑さが続いていて、いいことはほとんどないのですが、唯一、夜に飲むビールのおいしさだけは倍増しています。

おいしそうな泡になるように心を込めてグラスにビールを注ぎますが、きめが細かいしっかりした泡にするのは、なかなか大変です。ビールの温度や、コップがきれいに洗われているかということに加えて、どのあたりから注ぐのか、一気になのか、そっとなのか、コップは傾けるのかなど、考えながらやっているのですが、注ぐ技術は高まりません。

そこで、ここ数年は「ビールがおいしく飲めるグラスを手に入れること」に方針を切り換えています。厚みが少なくすっとした形状のガラス製ならビールが綺麗にみえるし、ピューターのように重みがあってくちびるにキリッとした冷たさを感じるものも魅力だし、グラスのなかに市松模様にすりガラスが施されていて泡がよく立つというものもいいし、陶器製のものだと本当にクリーミーな泡になるし…。ということで、いつの間にか戸棚のなかにビールグラスが増えてしまっています。

この夏は、昨年の自粛のころと違い、外でビールを飲める機会が増えたので、プロの手によるタップから注がれたビールの泡を楽しみたいと思います。一日の仕事に満足して、爽快に半分まで飲んだビアグラスには、波打ち際のような泡のレース模様が何本も出現します。向かいに座った家族と、そのレース模様がきれいだの、乱れているだの言いながらストレスを解消したいと思います。

サポーター

みやもと おとめ
みやもと おとめ
詩人。
本業は体育大学・ダンス学科教員。大学生たちがダンスを好きになり、さらに自信をもって子どもたちにダンスを教えられる指導者として育つことを願い、教育と研究に取り組む。

プロフィール