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「ニューヨーク医療視察ツアー」に参加して(1)

2019年9月、「ニューヨーク医療視察ツアー」に参加しました。内容は、最先端チーム医療の現場や世界中の病院からモデルケースとして注目をされている緩和ケア病院などニューヨークの最新医療施設、米国内最大のがん支援団体であるアメリカン・キャンサー・ソサエティNY 支部、乳がんと卵巣がん患者の支援を続けているピアサポート団体SHARE の視察、参加者700名を超えるファンドレイジングパーティへの参加など。この盛りだくさんのプログラムを体験したレポートを4回に分けて掲載します。

A Second Helping of Life、ファンドレイジングパーティ

ニューヨークの非営利団体『SHARE』が主催した今回のツアーで目玉の一つになったのが、9月23日18時から開かれた『SHARE』のファンドレイジングパーティ。彼らのミッションとして、乳がん、卵巣がん体験者、特に医療面で十分にサポートを受けられないコミュニティを支援していることから、今回のパーティでもニューヨークの女性のトップシェフを招き、素晴らしいお料理と飲み物を提供いただきながら、オークションや寄付、表彰式などのプログラムを楽しめました。

会場は、ニューヨーク・チェルシーピアPIER SIXTY

マンハッタンの西側ハドソンリバーに面した、ウオーターフロントの一角にあるチェルシーピア、ピア60が会場です。ここはガラパーティや結婚式なども行われる有名なランドマークだそうです。

フォーマルドレスをまとい、着飾った女性たちやエスコートする男性たちが、レッドカーペットの敷かれた入口から会場に入っていきます。私たち日本からのツアー参加者も事前に350ドルを支払い、申し込みを完了していましたので、スムーズに受付も済ませることができました。

会場はお料理や飲み物を楽しむ一角と、円卓が50以上並べられたところに分かれています。女性のトップシェフたちが所狭しとブースを出し、腕によりをかけたお料理やワイン、フレッシュジュースなどの飲み物を提供しています。オイスターやロブスター、ステーキやサラダ、デザートやチーズなどを自由に食べ比べワインと一緒に楽しみながら、会場をひと回り。ひと通り食べ終わったところで、席につきました。

表彰式から、オークション

席についたところで、TVパーソナリティ、ノバルティスの患者アドボカシー担当ディレクター、元AVONのCEOなどがステージで表彰されて、そのスピーチを聴きました。

引き続き、入口で渡されたドネーション(寄付)フォームを次々に挙手して提出する参加者。100ドルから5,000ドルまで8段階に寄付額が分かれていて、それぞれの金額に応じてどんな支援に使われるかが記載されています。たとえば、100ドルだと「全米からかかってくるヘルプライン(電話)の支援ができます」5,000ドルだと「ニューヨーク市外に支援団体を立ち上げることができます」など。使途をはっきり明記して寄付を募るのだと、改めて感心しました。また、そのフォームには「○○ドルの寄付の税金控除をしたい」と記入する箇所も。寄付が身近で、パーティ会場でですら税金控除手続きも常識として認識されているのだと驚きました。

さらに、ショーのようなオークションが始まりました。やはりアメリカは寄付社会だと実感。「パリのホテル3泊宿泊(2700ドル相当)を○○ドルから始めます!」という感じで、MCの方が盛り上げます。寄付する方も、見ている方もこの時間を楽しんでいるように感じました。

また、当日の配布冊子には上院議員を含め30人ほどの政治家、NY自治体関係者などの挨拶で埋め尽くされており、社会の関心の大きさや、社会的インパクトを痛感。ちなみに一日で約6億円を集めたとのこと。その額に驚きます。患者のために、日本で同様の資金調達アクションができないものか、これからまた勉強して実現を目指したいところです。