自分らしく
〈洋楽ポップス回顧録〉(12)Superstition
13歳でBillboardの2タイトルを獲得する恐るべき新人
先月、ラズベリーズ(The Raspberries)の『I Wanna Be with You』をご紹介した際、他に購入したいシングルレコードがあったことをお伝えしました。その曲が、1972年にリリースされたスティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)の『Superstition』(迷信)です。
スティーヴィーは11歳のとき自身で作曲した『Lonely Boy』をミラクルズのロニー・ワイトの前で歌ってモータウンのオーディションへのきっかけとし、同社との契約を獲得しました。そしてスティーヴィーが12歳だった1962年末、モータウン・レビューの一員として全米ツアーを行います。このツアーで廻ったシカゴのリーガル・シアターでの20分ほどの演奏を録音したものが、1963年5月にアルバム『Recorded Live:The 12 Year Old Genius』としてリリースされ、Billboard 200で1位になる大ヒット。同月にシングルカットされた『Fingertips』もBillboard Hot 100の1位という大ヒットを記録します。12歳でデビューしたため、ビートルズのメンバーとは年齢が離れているにもかかわらずキャリアとしては同等の長さを誇ります。
当初はジェフ・ベックに譲渡されるはずだった曲
こうした輝かしい活躍のなかで1972年に発表された『Superstition』は、ファンクやソウル、R&Bといったジャンルで主に用いられているクラヴィネット(電気式キーボード)が駆使されていて、スティーヴィーのファンキーな音楽的志向が強く反省されています。アルバム『Talking Book』に収録されたこの曲は多くの国でシングル・カットされ、世界中で愛聴されるスティーヴィーの代表曲になっています。
なお、スティーヴィーは当初、この曲をアルバム『Talking Book』のセッションに参加したことへの返礼としてジェフ・ベック(Jeff Beck)に提供する予定でした。しかし、周囲の人々は提供に反対でかなり説得しなければならなかったそうです。こんなゴタゴタはありましたが、ジェフは自身のヴァージョン版を制作し、ベック・ボガート&アピス(Beck, Bogert & Appice)のデビュー・アルバム(1973年発売)に収録しています。
▼Superstition(迷信)
https://music.youtube.com/watch?v=egqv1mtos6A
サポーター
- 紙媒体・Webサイトの編集者・ライター。ひたすらロックとヨーロッパサッカーを趣味として湘南で暮らす。じじいバンドでは、ドラムを担当。
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