自分らしく

うさぎ

うさぎ

野にいるうさぎ

しっぽ みみ
  しっぽ みみ
しっぽ みみ

せわしない
シーソーになって
とびまわる

今年は
月まではねてみたいな

生まれた年と誕生日で友人が占いをしてくれたことがありました。いろいろな面白いことを話してくれましたが、そのなかで印象に残っているのは、「あなたは、うさぎ年生まれの友人に助けられる」の一言でした。

「うさぎといえば3歳年下。誰かいたかしら」と考えていたら、当時の同僚に一人思い当たる女性、社会科のK先生がいました。何か大きなことで助けてもらったということはないのですが……。

K先生が帰りの学級会が終わり、やっと職員室に戻ってきて、〆切りのある仕事に取りかかったそのタイミングで、急に生徒がやってきて何かを頼んでいます。生徒の用事はそんなに急ぎでもなさそうなことだったにもかかわらず、K先生はすぐに立ち上がり明るい声で「はいはい、わかった」と言って、かなり離れた教室に向かってあっという間にドアを出て行きました。

その軽やかさに、ハッとしました。そしてすぐ自分の慢心を恥ずかしく思ったのです。「私、生徒が好きで生徒のためにこの仕事をしているはずだったのに、いつの間にか自分が偉そうになっている」と。その頃の私なら「(心の声:忙しいのわかってくれるよね)悪いんだけど、ちょっと待って15分後にまた来てくれる? 今これが終わったら行くから」と言ったに違いなかったのです。

私は、このときをきっかけに、相手が誰であっても、頼まれたことにはすぐ動く身軽さを取り戻せたと思います。「うさぎ年の友人に助けられる」と言われたときにまず思い出したエピソードでした。

サポーター

みやもと おとめ
みやもと おとめ
詩人。
本業は体育大学・ダンス学科教員。大学生たちがダンスを好きになり、さらに自信をもって子どもたちにダンスを教えられる指導者として育つことを願い、教育と研究に取り組む。

プロフィール