自分らしく

へび

へび

ズズズッザザッ
シャー!! シー シー
忍び寄られたら
かなり怖い

にょろにょろ
くるん くるくるん
誰にも負けない柔軟性
ちょっとかわいいかも

足がなくたって
皮膚の力で前進できるし
その気になれば
木にものぼれる

そんな感じでこの1年
するすると道を選んで前進し
やわらかな思考で乗り越えて

楳図かずおの『へび女』という漫画を小学生のころに誰かに借りて読みました。首筋にうろこがあってカアッと口が裂けている女の人の顔がどこからか現れそうで、トイレに入ってもドアをぴったり閉めることができなくなってしまった時期がありました。不思議なことに、怖いのに、ちょっとするとまた読みたくなってしまう漫画でした。

大人になってからハリーポッターのシリーズにはまり、繰り返して読みましたが、物語のあちこちでへびが出てきます。シューシューと声だけが聞こえてくるシーンや、ハリーポッターたちに襲いかかるシーンなど、とても太刀打ちできないような特別な力をもって現れます。映画ではそれがデフォルメされて描かれ、さらに恐ろしさを増していました。

一方『星の王子さま』がへびと語り合うシーンは、もっとずっと静かです。蛇は細身で少し体を巻いて真ん中から首を伸ばして立ち上がり、王子様を見上げていたりします。最後にへびにかまれて倒れていく王子様の絵はスローモーションのようで、中学生だった私はただただ悲しい気持ちになり、そこにどんな哲学的な意味があったのか、まったくわかりませんでした。

仲良くなるのは難しそうなへびなのですが、いったいどのようにして地面を移動するのか、木を登るのか、そして、なぜ水面を滑るように泳ぐことができるのか、ネットで調べ始めると興味深いことばかりです。手足や羽やひれがなくても、効率よく美しく自分の体を運ぶ仕組みが背骨やうろこに隠されているのですね。

東京ではなかなかへびと遭遇する機会はないので、ネットの動画をあちこち眺めて少し近づいてみようかと思います。

サポーター

みやもと おとめ
みやもと おとめ
詩人。
本業は体育大学・ダンス学科教員。大学生たちがダンスを好きになり、さらに自信をもって子どもたちにダンスを教えられる指導者として育つことを願い、教育と研究に取り組む。

プロフィール