乳がん生活:患者力:患者力アップのヒント

乳房再建への道(5)

本手術の半年後

本手術が終わってからしばらくは移植した脂肪の定着具合などを経過観察し、半年後に乳頭をつくる手術を受けました。本手術のときに若干色の濃い部分の皮膚をとっておき、そこを乳頭に利用します。耳の軟骨をとっておいて乳頭の高さを作るやり方も聞いたことがありますが、私の場合は皮膚をくるくるっと丸めて高さを出しているそうです。今のところ陥没などは起きていません。

大変だったのは、術後1か月ぐらいはつくった乳頭をつぶさないように穴をあけたクッション材をはめていなければいけないこと。そのため、体の線が出るような服は難しかったですね。私の場合は夏の手術でしたのでなかなか大変でしたが、海外出張でも胸元のふわりとしたドレスでなんとか乗り切りました。

脂肪注入の修正も少しできる

乳頭をつくるのが主目的ですが、胸の形が少しスムーズでない上側と下側にお腹の脂肪を追加移植する修正手術も同時に行いました。おへその部分から管でまわりの脂肪をとり、ちょっと足りない部分に移植しました。傷跡が外に出ないのがメリットですが、10日ほどは下腹が内出血状態でアオタン状態でした。キッチンの台とか下腹にあたる場所が意外に多く、しばらくは当たる度に「あいたた」ということに。脂肪は無事定着してくれています。

タトゥーで乳輪

乳頭をつくっただけではやっぱり変な胸なので、乳頭手術の1年後にタトゥーで乳輪をつくりました。私の場合は本手術の先生が自ら入れたいということで時間を合わせるのが大変でしたが、やっていただきました。乳頭だけの胸から最終形になったような気がして、とてもうれしかったのを覚えています。「タトゥータトゥー」というので永遠のものかと思いきや、いわゆるアートメイクみたいなものかもしれません。

個人差もあるのでしょうが、1年ぐらいすると薄くなってきたので修正をしてもらうと、保険も適用されないため結構な金額がかかりました。これを毎年やるのかと思うとうんざりしましたが、「その後はちょっと薄いけれど、気にならなければそのままでもいいですよ」と先生もいうので、以来何年も追加はしていません。まったくの無色になると変ですが、そうでもないのでよしとしています。「乳頭乳輪はつくらず、リカちゃんの胸のまま」という友人もいます。

このように追加でいろいろかかることも理解した上で、どこまで、そしてどんな方法で再建を行うのかは検討した方がいいかもしれません。

サポーター

Chicca
Chicca
マーケティングコンサル会社代表。
福岡県出身。高校時代に海外留学。大学卒業後、証券会社の海外勤務、内外化粧品会社マネジメント、事業開発、マーケティング、ラグジュアリーブランド、海外化粧品ブランド日本代表などを経て、現在に至る。
44歳のときに左乳がん発症。部分摘出、全摘手術の2度にわたる手術を経て、2年後に自家組織による再建に着手。2019年卒業。
趣味は、旅行、温泉、茶道、書道、着物、アルゼンチンタンゴ。

プロフィール