自分らしく

同窓会のジグソー

同窓会のジグソー

それであの七人衆が
Kちゃん主演で提案して
ちがうちがう、Y子だったよ
プレゼンして対決したのよね
ああ…プレゼンあった、そういえば

Hと一緒に授業サボって
となりの短大に
よくもぐりこんだよ
ふーん、きづかなかったな
フリョーだったんだねー

そうそう、おまえに否定されてさ
けっこう悔しかったんだけど
言えなかったんだぜ
え?そんなことあった?
じゃあ、今あやまっとくよ。

ずっと欠けてた記憶のピースが
思わぬところでつながって
みつけたシーンに
びっくりしたり
せつなかったり

そして笑い声とともに
ふたたび崩されて
またちがうところで
つながって
時を忘れてパズルに興じる

未完成のジグソーパズルは
謎を残してまた来年

45歳を過ぎたころに、中学校全体の同窓会の手伝いの年次が回ってきて、それをきっかけに同期の学年が集まるようになりました。最初の頃は、「みんな忙しい年ごろだし、2年か3年に1回企画するのがいいだろう」と、そんな感じでした。しかし、ある年に同窓生が1人病気で亡くなり、そのときのリーダーが、「昨年やっておけば会えたかもしれないと思うと悔しい。毎回出席しなくても来られるときに会いに来られるような会にしたいから、毎年やる!」と継続を宣言。以来、毎年同窓会が行われるようになりました。

同窓会開催のためにその年の幹事たちの打ち合わせが複数回行われたり、同窓会当日には来られなかった仲間が出張で東京に来たときに合わせたミニ同窓会が開催されたり、当日気のあった仲間と続きの話をするために小さな集まりがあったりして、友人と会うチャンスが増えました。

お互いの健康法や趣味や介護などの話に刺激を受けながら、近況は話したいことだけ話して、「今、何歳?」「みんな同じ歳だよ!」などと毎回聞こえるジョークで笑ってばかりの会です。3年間の中学生活ではクラスが違って顔しか知らなかった人と新たに友だちになれることもありますし、やってきた仕事や住んでいる地域から共通の知り合いを発見して新たなネットワークが生まれることも。

同窓生でなくても、年賀状に毎年「今年は会いたいね」「今年はお目にかかりたいです」と書きながら実現していないたくさんの人たちの姿を思い浮かべて、少し思い切りが必要だけれど「会えるときには会っておこうかな」と思うこのごろです。

サポーター

みやもと おとめ
みやもと おとめ
詩人。
本業は体育大学・ダンス学科教員。大学生たちがダンスを好きになり、さらに自信をもって子どもたちにダンスを教えられる指導者として育つことを願い、教育と研究に取り組む。

プロフィール