3拍子の記憶

子どものころ、音楽の授業でテンポ(拍子)の数え方を習いました。指揮棒をふるように、4拍子は四角形を描いて「いち・にい・さん・し」。3拍子は、「いち・にい・さん」と三角形を描きます。その記憶が焼きついて、いまでも曲のテンポを数えることがよくあります。

特に3拍子は、曲を聴いて気づくたびに頭のなかで三角形を描いてしまいます。3拍子のワルツが好きなのは、そんな記憶があるからでしょうか。

ワルツの名曲を集めて聴いてみると、優雅なテンポに幸せな気持ちを感じます。私のお気に入りのワルツ曲を紹介します。

ワルツの名曲

クラシックの世界で数多くのワルツを創り出した作曲家といえば、ヨハン・シュトラウス2世です。19世紀のウィーンは宮廷舞踏会を背景にワルツが大流行したそうです。「美しきドナウ」は、広大な風景が目の前に広がるようなおおらかさを感じます。

現代のワルツの名曲は、見慣れた映画の主題歌が多いのも興味深いところです。

映画『サウンド・オブ・ミュージック』に登場する「マイ・フェバリット・シングス」は、ジャズのスタンダードとしても有名な曲です。身の回りの普通のことをいくつも並べて「私のお気に入り」と歌う歌詞は、ユーモラスで純真な表現に心が暖まります。

ウォルト・ディズニーの映画にもワルツの名曲があります。「いつか王子様が」は『白雪姫』の挿入歌で、軽快なメロディーがファンタジーの世界への誘いのようです。

映画『ティファニーで朝食を』で、オードリー・ヘプバーンがギターを爪弾いて歌ったのが「ムーン・リバー」です。ヘプバーンの魅力と切り離せないのは私だけでしょうか。

50年代のポップス「魅惑のワルツ」(ファシネーション)は甘いムードのワルツです。原曲はシャンソンのラヴ・ソングというのもうなずけるロマンティックな曲です。近年まで何度もリバイバル・ヒットしている名曲で、どこかで聴いたことがあるはずです。

何ごとにも追い立てられるような日常ですが、ワルツのゆったりとしたテンポで少し気楽な気分になれるはずです。