「誰に」「どのタイミングで」告白するか。〈乳がん〉の告知を受けた後、一番に考えたのがこのことでした。私が〈乳がん〉の告知を受けたのは子どもが5歳のときでした。5歳児に〈乳がん〉と言ってもきっと分からない。でも、治療が進めば身体の変化には気がつきます。感情豊かで好奇心旺盛な時期。また親子のコミュニケーションも大事な時期。そして両親への告白。私の行った周囲への告白の仕方をご紹介します。

パートナーとのすり合わせ

主人には検査結果も同席してもらっていましたので、すべてを知っていました。子ども、両親への告白をどうするか。パートナーがいる方は必ずすり合わせをする方が良いです。治療中一番近くにいてくれる方には治療以外のストレスを溜めないように、自分の意志はしっかりと伝えておくのをお勧めします。

治療中も同様に初めて〈乳がん〉の治療を進めていくのは不安なことばかりでした。「先がどうなるか分からない」「自分の身体が思うように動かない」「何で自分が〈乳がん〉になったのか」…ストレスは自ずと溜まっていきます。ストレスは治療の大敵です。

パートナーとは何事も共有をして少しでもストレスが軽減される方法を選択すれば、長い闘病生活での快適な過ごし方に繋がると思います。相手も〈乳がん〉の看病が初めてであれば、何をすれば良いか分からないでしょう。お互いさまです。それであれば、「自分がどうしたいか」「どうしてほしいか」はしっかりと伝えておきましょう。

家族に伝えるタイミングと方法

●両親への告白
今はSNSですぐに伝えることができる時代ですが、受け取った側の様子が分からないのが難点です。離れて暮らす両親への告白はどのようにするのか迷いましたが、顔を見て話そうと決めて直接伝えました。また、「治療に入れば自分の事で精一杯になるだろう」「後にすると、心にずっとつっかかるかもしれない」と思い、乳がんの告知を受けた翌日、実家に帰りました。

実際に両親へ告白すると、母は目の前で泣き崩れました。それを見て私も泣きましたが、直接話ができたことで、「あとは治すだけ」と前向きになれたと思います。結婚をして子どもができても、「私は両親の子どもなんだな」と、子どもに戻った気持ちになりました。

●幼い子どもにも隠しごとはしない
子どもへの告白は一番悩みました。〈乳がん〉になったんだよと話してもきっと伝わりません。それならば、何も言わないでおくべきか…しかし身体の変化で気がつくのは確実で、その都度隠そうとごまかしても辻褄が合わなくなるでしょう。そこで子どもにも事実を伝え、今後の身体の変化も話しました。

ただ〈乳がん〉という言葉ではなく「お母さんのからだに悪い病気ができたから治すんだよ」と病名は伏せることにしました。その理由のひとつが、情報過多の時代だということ。TVなどで〈がん〉のことが流されたとき、どんな情報が子どもの耳に入ったのか私たち親も把握しきれないと思ったからです。

実際に治療に入り髪の毛が抜け、食事もできない、一緒に遊べない、幼稚園のお迎えにも行けない、娘には我慢させることも多かったと思います。しかし、すべて事前に伝えていたことなので「寝てていいよ~」「荷物は持つからね」など積極的にお手伝いもしてくれました。何も分からず不安にさせるよりも、事前に伝えることで心の準備ができていたのではないかと思います。

それぞれの生活環境や家庭の事情は異なるので、なにが正解かは分かりません。どれも正解だと思います。家族や周りのことを考える気持ちも大切ですが、せめて治療中は自分の気持ちを優先してみてもいいと思います。