抗がん剤や放射線治療を行うと、手や足にしびれるようなピリピリした感覚や、皮膚がもう一枚ついたような違和感が残ることがあります。運動でしびれや違和感を改善することは難しいですが、しびれや違和感からくる運動に対する不安や恐怖心は、改善していくことができます。まずは「足のしびれがあるときの運動」をご紹介しましょう。

「足のしびれ」で怖いのは、転びそうな感覚

私たちの身体には、さまざまな「レセプター」があります。特に足の裏や手のひらには感覚を受け取る「レセプター」が多く存在していて、目をつむっていても自分がどんな姿で立っているかイメージできます。これを『固有感覚』といいます。倒れないようバランスをとったり、倒れそうになった身体を起こしたりと、意識をしなくてもオートメーションで働いてくれるすごい機能です。

しかし、しびれや違和感があると『固有感覚』が鈍くなってしまい、自分の身体がどうなっているか把握しにくくなります。その結果、片脚で立つとバランスを崩して倒れそうに感じてしまい、不安や怖さを感じる方が多くいらっしゃいます。

まずは、不安や恐さのない運動からスタート

ヒトの身体は、東京タワーを逆さまにしたような構造をしていて、元来、不安定です。両足で立っていても、A4用紙ほどの面積しかありません。この不安定なところに痺れによる感覚の違いが生じると、転倒のリスクは上昇してしまします。

そこで最初に運動を始めるときは設置面積の大きい「仰向け」や「うつ伏せ」「四つん這い」の状態から始め、最終的に片脚のメニューができるように感覚を養っていきましょう。下記のリンク先に、立ち姿勢以外のトレーニングを何パターンかご紹介しています。体幹という胴体部分から運動を始めることでリンパの流れを良くし、静脈の還流量も上昇させることができますよ。

▼足のしびれがあるときの運動
https://www.youtube.com/watch?v=XjnRRLnbapQ
★無理せず、できる範囲で行ってください

片脚など不安定なメニューも練習しましょう

足裏の「レセプター」が上手く機能していない場合、他の関節や腱、筋肉にある「レセプター」を活性化させてバランスを保てるようにトレーニングしていきます。もちろん、最初は今まで足裏が大きく担っていた役割なので、簡単に獲得することは簡単ではありません。

しかし、片脚でのバランスが改善されると、できる動きが増えてきます。大股で歩けるようになりますし、階段の上り下りも恐怖感なく行うことができるようになります。また、スポーツ愛好家の方は片脚のバランスが良くなることで治療前と同じように動ける可能性もあります。

「怖いからやらない」「禁忌にする」のではなく、トレーナーや理学療法士と一緒にできる方法を考え実践していきましょう。

次回は「手のしびれがあるときの運動」についてご紹介します。