自分らしく
〈近畿圏枝毛線巡礼〉(3)阪急電鉄 伊丹線

塚口駅のすごい急カーブは必見
阪急電鉄『伊丹線』は、『神戸線』の『塚口駅』を起点に約3km先の伊丹市中心部を結ぶ路線です。『伊丹』と聞くと『大阪国際空港』が連想されますが、空港とは川を隔ててかなり離れており、むしろ阪急電鉄『宝塚線 蛍池駅』のほうが近いです。
では、なぜこのような枝毛線ができたのでしょうか。それは神戸線が建設される際に、当初は伊丹市の中心部を通る計画だったのが、天才的経営者である小林一三の「阪神間をできるだけ短絡できる線形にせよ」との意向で伊丹を通らなくなったため、連絡のために建設されたのだそうです。
では塚口駅から伊丹駅に向かって、電車に乗りましょう。伊丹線のホームは神戸線大阪梅田方面行きのホームの隣にあります。伊丹線のホームはかなりきつい弧を描いています。線路を覗くと、4輛編成の大きな電車が曲がれるとはとうてい思えないような急カーブです。
電車は大きな軋み音を上げながら発車し、急カーブを曲がります。曲がり切ったところで線路は複線になり、そこからスピードを上げ、まっすぐに伸びた線路を軽快に走って行きます。沿線は箕面線に似た住宅地ですが、あちらよりは若干マンションの数が多いように感じます。『稲野』『新伊丹』と停車し、高架を駆け上がって左にゆるくカーブすると終点『伊丹駅』に到着です。駅はショッピングセンターになっており、電車はその3階から発着します。
酒造で栄えた町・伊丹のランドマーク
伊丹駅から西の方向に歩くとお寺が2軒並んで建っているのですが、どちらのお寺も堅く門を閉ざしたまま。しかたなくもう少し歩くと、昔の酒蔵の建物を利用した施設がありました。伊丹は清酒発祥の地だそうで、酒造で栄えた町なのでした。
『白雲 長寿蔵』というこの施設(写真)では、レストランのほか日本酒を使ったオリジナルのお菓子が何種類も売られています。『酒ゼリー』を試してみましょう。無色透明なゼリーを口に含むと、大吟醸酒の豊かな香りが広がりました。アルコール分は1%以下なので、私のような下戸でもおいしく食べられます。
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主なフィールドはバレエ、鉄道、鉄道模型、70年代プログレッシヴ・ロック、古代史など。
近年は自費出版原稿のリライト、編集を主に手がける。好きな言葉は「棚からぼたもち」。
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