自分らしく
〈近畿圏枝毛線巡礼〉(17)JR西日本 和田岬(わだみさき)線

朝夕しか電車が走らないのに黒字の路線
JR西日本の『和田岬線』は、『山陽本線』の『兵庫駅』から発着しています。乗り場は山陽本線のホームからちょっと下がった別の場所にあります。途中駅はなく、終点の『和田岬駅』にも駅員が配置されていないため、和田岬線に乗るには専用ホームへ行く通路の途中にある改札機にICカードをタッチする必要があります。
専用ホームには、枝毛線にしては長い6両編成の電車が待っていました。朝早い時間なのですが、かなり混雑しています。ほとんどが沿線の工場に通勤する方たちのようです。電車のドアは『半自動』と呼ばれる方式で、乗りたいお客さんは、ドアの傍らにあるスイッチを押すことでドアを開けることができます。ほどなく発車時刻になりました。いっせいにドアが閉まるのは、発車時に車掌さんが専用のスイッチを操作して閉めるからです。
兵庫駅を出た電車は山陽本線と別れて左へカーブし、高架から地上へ下ります。ほどなく川崎車輛兵庫工場への引き込み線が分岐し、あとは終点までほぼ一直線。工場群が途切れ、戸建住宅やマンションが見えてくると和田岬駅です。珍しいのは、ホームの途中数か所に、傍らの道路へ下りる小さな階段が設けられていること(写真)。人一人がやっと通れるほどの階段を降りると、4分ほどの短い旅が終わります。
和田岬線の歴史は古く、1888年に線路が敷かれました。長らく沿線の工場の貨物輸送や通勤輸送に従事してきましたが、最近では和田岬付近の住宅開発に伴って通勤・通学の需要も増えて黒字経営なのだとか。ただ、電車が走るのは朝夕のみ。日中はまったく電車が走りません。乗りに行くには、事前に下調べをしておく必要がありますのでご注意ください。
和田岬駅周辺は工場と住宅地のみ
終点の和田岬駅の近くには、工場と住宅地しかありませんでした。起点の兵庫に戻ってお参りできそうな神社仏閣を探します。探すこと数十分で、ビルの谷間に浄土真宗『浄榮寺』を見つけました。しかし、都会のお寺にありがちなことですが、門は固く閉ざされていて、お参りができそうな雰囲気ではありませんでした。
さらに、土地に不案内なせいか、お土産になりそうなものを打っているお店を見つけることができませんでした。残念ですが、お土産も、なしです。
サポーター

- フリーの編集/ライター。
主なフィールドはバレエ、鉄道、鉄道模型、70年代プログレッシヴ・ロック、古代史など。
近年は自費出版原稿のリライト、編集を主に手がける。好きな言葉は「棚からぼたもち」。
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