自分らしく

〈首都圏枝毛線巡礼〉(12)JR東日本南武線 浜川崎支線

同じ名前の駅なのに場所は別々

JR東日本『南武線』には、『尻手駅』から分かれる枝毛線、通称『浜川崎支線』があります。尻手駅から途中3駅を挟み、『浜川崎駅』までの約4kmを2両編成の電車が日がな一日、行ったり来たりしています。

こう書くとすごくローカルな電車のように思えますが、この浜川崎支線にはもう一つ重要な役割があります。品川区八潮にある東京の一大貨物拠点『東京貨物ターミナル』と東海道線を結ぶ超重要路線の一部なのです。つまり、主役はあくまでも貨物列車であり、乗客が乗る電車はその合間を縫うように運行されている、というわけです。

この浜川崎支線の見どころは、終着駅の浜川崎駅。実は、『鶴見線』にも同じ名前の『浜川崎駅』が存在します。ところが、浜川崎支線の浜川崎駅と鶴見線の浜川崎駅は、道路を挟んだ別の場所にあって、改札もそれぞれの駅にあります。

二つの駅の改札付近では「乗り換えるお客様は改札にタッチせずに、そのままお通りください」という放送がしきりに流れています。乗り換えるお客さんがここでタッチしてしまうと、通し運賃ではなく、新たな運賃が発生してしまうからです。お気をつけくださいね。

手入れの行き届いた浄土宗のお寺

尻手には、ごく近い場所に三つのお寺が存在します。そのなかの『記主山然阿院 良忠寺』は浄土宗のお寺で、鎌倉光明寺を創建された良忠記主禅師が弘安元年(1278年)に創建されたお寺だそうです。

手入れの行き届いた境内は気持ちよく、訪問した日は、2月にしては暖かな日ざしが木々に目覚めを促すように降りそそいでいました。法要が営まれるのか、忙しげに行き交う礼服を着た方の足取りも、なんとなく軽そうに見えます。

今回もお菓子屋さんが見つけられなかったので、お土産はなしです。本当にすみません。

サポーター

老田道夫
老田道夫
フリーの編集/ライター。
主なフィールドはバレエ、鉄道、鉄道模型、70年代プログレッシヴ・ロック、古代史など。
近年は自費出版原稿のリライト、編集を主に手がける。好きな言葉は「棚からぼたもち」。

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