自分らしく
「星くず」と「5月の朝」
永遠の名曲
『スターダスト』は90年前の曲ですが、世界でもっとも知られる名曲のひとつです。作曲者は、アメリカ人のホーギー・カーマイケル。20世紀のポピュラー音楽を代表する偉大な作曲家です。生涯で650を超える楽曲を作り、『我が心のジョージア』や『ハート・アンド・ソウル』など多くの名曲を残しました。
当初はジャズの演奏曲でしたが、1931年にビング・クロスビーが歌詞をつけた曲を歌い、一躍人気を博しました。歌詞を書いたのは、ミッチェル・パリッシュという作詞家。代表作に、『アラバマに星落ちて』や『スウィート・ロレイン』などの名曲があります。
『スターダスト』の成功からすると意外ですが、このコンビが作った曲はわずか5曲ほどでした。そのなかに「5月」を題名にした曲があります。
「スターダスト」から「5月の朝」へ
『One Morning in May 』(5月の朝)は、『スターダスト』から数年後に生まれました。知名度は高くありませんが、今でも多くの演奏家や歌手が取り上げるスタンダードの名曲。両曲とも歌詞は、別れた恋人を追想するラヴ・ソングです。
『スターダスト』の舞台は、日が落ちた夜。登場するのは、輝く星空、ナイチンゲール(夜鳴きウグイス)、咲き誇るバラ。そして「星くずのようなメロディ」と歌われます。
『5月の朝』では、出会えた素晴らしい日を忘れない、と始まります。ブルー・クローバー、春の日のような情熱、花束からの一輪、といったロマンチックな言葉が並んで、「夢は消えても愛おしい」と歌われます。失恋の歌詞に反して、おおらかな曲調が爽やかです。
「スターダスト」(星くず)の夜が明けると清々しい「5月の朝」が来るように、この2曲は連続するストーリーのように思えます。
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