乳がん生活:患者力:頼れるプロ

おうちでできるリハビリヨガ

〈乳がん〉〉の術後に起こりやすい、引きつれる感覚や腕の上げにくさに対してできる、とても簡単なおうちリハビリを動画でご紹介します。

▼おうちでできるリハビリヨガ
https://youtu.be/TcYPbjDDA_M

筋力や体力の回復をはかる時期の方に最適

今回の動画では、2つのリハビリヨガをご紹介しています。術後1か月~1.5か月ころで、筋力や体力の回復をはかる時期の方に向けたものになっています。術後から長い期間が経っているけど、不具合のある方やリンパ浮腫があって肩や腕を動かしにくい方にも適した内容です。日々行えるウォームアップのようなものと捉えてください。

3つのキーポイント
●頑張らない
●無理をしない
●自分のできるときにできる回数だけ行う

動画の実践だけでも効果は十分にあります。動画のあとにマメ知識も書き添えていますので、ご興味ある方はぜひ読み進めてみてくださいね。

動きのポイント

直接的に肩や腕を動かしているようにはあまり見えない運動かもしれません。しかし、四肢を動かす前にできることとして、脊柱を動かすということはとても重要です。動画2つ目の動きでは、この脊柱にアプローチしています。脊柱の柔軟性を高めることは全ての運動をいかにリラックスして行えるかに繋がるのと同時に、心理的不安も軽減させてくれます。

脊柱のなかでも、特に「胸椎」といわれる部分は動きが少なくなりがちです。乳がん手術を受けられた方は胸椎が丸まりやすく、お胸の真ん中にある骨「胸骨」が内に閉じて肩が前に入るような姿勢になりやすいです。

ヨガでは、「胸骨の位置にハートチャクラがある」とされています。ハートチャクラは愛を受け取り、愛を与える出入り口です。ここが閉じていると、人からの愛も受け取れないですし、愛を伝えることもできません。ハートチャクラを開放することは自己を開放することであり、結果として胸を張って背筋が伸びた姿勢づくりに繋がります。

そして、皮膚や表層の筋膜を動かすことも大切です。乳がん術後はドレーンを装着されます。それにより一時的ではありますが、肩や腕の可動制限をかなり受けることになり、筋肉は痩せやすく皮膚は硬く伸びにくい状態になります。まずは硬くなった皮膚に動かすことを思い出させることから、手術後の回復は始まります。動画の1つ目の動きは、皮膚や表層の筋膜を動かす基礎づくりになっています。

1日最大10回程度からでよく、起床時でも就寝前でも家事やお仕事の間でもいつでもかまいません。自分の生活時間に無理のないときに体調に無理のない回数で行ってみてくださいね。

「頑張らない」ということはヨガの実践です。自分の身体の声を聴き、痛くないか? 無理ないか? 常に相談しながら行ってみてください。

最後にもう一つやってみていただきたいことがあります。この動画を見て実践をされたら、心の中で自分を褒めてみてください。頑張った自分に拍手を。

サポーター

平沼穂香
平沼穂香
フリー鍼灸マッサージ師/乳がんヨガ指導者。
女性がん経験者たちへの医療リンパドレナージ施術経験から、頑張る女性を応援したいという想いのもと、がん経験者へ安心で安全なリハビリの場・自分自身のための時間を設ける空間を提供するため、2021年4月に乳がんリハビリヨガ『BLUE ORGANIC SPACE』を開室。
将来はオーガニックホテル経営を含む、ライフスタイルの変革を提案するプロジェクト『BLUE ORGANIC LIFE』の設立を目指して活動中。

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