乳がん生活:患者力:頼れるプロ

ウィッグの正しい選び方

抗がん剤治療を行っていると、急遽、ウィッグを用意しなくてはいけない場合が少なくありません。そんなとき、ウィッグを使用したことない方はどのような物を選べばいいか分からないでしょう。また、ウィッグの価格帯が約1万円~70万円と幅広いことも、選択に迷う要因の一つです。

そこで、どんな点に注目してウィッグを選べばいいかをお話ししていこうと思います。

ウィッグの種類

●オーダーメイドウィッグ
40万円~70万円
もっとも高価なウィッグは、大手企業のオーダーメイドウィッグになります。頭の形や髪質・形など、すべて一からつくり込むため値段も高価ですが、使用感は他のウィッグとは比べものにならないくらい上質です。

がん発覚後、即時に抗がん剤治療を行うケースは少なくありません。その場合、オーダーメイドウィッグの製作期間は約1か月かかりますから、副作用として現れる脱毛に間に合わないことがあります。

●医療用ウィッグ
10万円~40万円
価格帯の幅が広いことが特長です。医療用ではありますが、いまだ保険が適用されるわけではありません。肌に当たる部分のネットがオーガニックでできている製品もあります。

●廉価ウィッグ
3000円〜
デパートや通信販売などで購入することが可能。一昔前のモデルや形状、スタイルのものがほとんどです。毛量が多い製品が主流で、購入後カットし直して使用する必要があります。

値段の違い

オーダーメイドやウィッグの形状でも値段は変わりますが、もっとも差が出る要因は髪質です。

●人毛
価格ランクは最上。自然な雰囲気をもっとも表現しますが、強度に欠けます。長く使用すると、退色して痛みます。

●耐熱人工毛
価格ランクは中段。人工毛より多少太いため、自然さは劣ります。しかし、耐久性に優れ形状記憶によって簡単にセットできます。

●人工毛
価格ランクは最安。1本の太さが太いため、不自然さが否めません。人工毛特有の「てかり」も出てしまいます。

ウィッグを選ぶ

ウィッグは、さまざまな要素によって値段が大きく変わってきます。「どれがいけない」というわけではなく、ご自身のニーズに合わせたウィッグを選んでもらうこと、そしてしっかりとした説明をしてくれる販売員に話を聞くことをお勧めします。

通信販売などで売りっぱなしの場合、購入後のメンテナンスやカット調整などはできないことがほとんど。しかし、他店での購入品でもメンテナンスしてくれるお店もありますから、使用感が気になる際はぜひ相談してみてください。

サポーター

中野純平
中野純平
美容室経営。
国内外の理美容室に従事した後、株式会社アートネイチャーに就職。ウィッグの知識を得て、2007年にウィッグや育毛をメインとした『ヘアメイクキオラ』をOPEN。抗がん剤治療の方や薄毛の方に向けて格安ウィッグからオーダーメイドウィッグを取り扱い、ご利用になる方のニーズに合わせたウィッグを提案。抗がん剤治療後の髪のお悩みなどにも対応。
趣味は、もっぱらアウトドアでスノーボード、カヤックフィッシング、キャンプなど。

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