乳がん生活:患者力:頼れるプロ

抗がん剤後の頭皮ケア

抗がん剤の種類と脱毛の関係

抗がん剤治療を行った場合、「必ず脱毛する」というわけではありません。抗がん剤は複数の種類から成り立っていて、どの抗がん剤で治療していくかによって脱毛の度合いも変わってきます。

乳がんなどで抗がん剤治療を行う場合は、たいていウィッグが必要となるケースが多いといえるでしょう。基本的には抗がん剤治療が終わってから何もしなくても髪は生えそろっていくのですが、頭皮や体をよりいい環境にすることを心がければ健康髪を生やすことができます。

頭皮環境を整える

髪が生えてくる箇所の頭皮環境が悪いと、生えてくる髪にも影響が出てきます。そのため、なるべく良い状態の頭皮を維持して、健やかに髪を戻していくことが大切です。

まず初めに頭皮の環境を整えるのに必要なこと。それは、頭皮に潤いを与えて皮膚バリアを形成することです。お手入れをしていない頭皮をマイクロスコープで見ると、ほぼ100%といっていいくらい赤い頭皮をしています。これは頭皮が炎症していて、簡単にいうと「頭皮が軽く火傷している状態」だとお考えください。ほとんどの人はその火傷している部分に頭皮を擦ってシャンプーを行い、熱いシャワーで流してそのまま乾かして終わりにしてしまっているのではないでしょうか?

顔でたとえると分かりやすいのですが、顔を洗うときに「泡をつけてゴシゴシ洗って、熱いお湯で流して終わり!」とはしないと思います。顔を頭皮も同じ皮膚なので、同じようにケアしていくことがベストです。

泡で優しく洗って36℃より低い温度で流した後、タオルで拭いて化粧水で保湿(皮膚バリア)をしてあげてください。抗がん剤後で余計に頭皮環境が悪化していることが多いので、最初のうちはしっかりと保湿をして頭皮を改善させていくことがいい髪を生やすことにつながります。ぜひ、日頃のケアの一環として楽しみながら頭皮ケアしてみてください。

サポーター

中野純平
中野純平
美容室経営。
国内外の理美容室に従事した後、株式会社アートネイチャーに就職。ウィッグの知識を得て、2007年にウィッグや育毛をメインとした『ヘアメイクキオラ』をOPEN。抗がん剤治療の方や薄毛の方に向けて格安ウィッグからオーダーメイドウィッグを取り扱い、ご利用になる方のニーズに合わせたウィッグを提案。抗がん剤治療後の髪のお悩みなどにも対応。
趣味は、もっぱらアウトドアでスノーボード、カヤックフィッシング、キャンプなど。

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