自分らしく

リラックスできるジャズを聴こう

サックスはジャズの花形楽器

管楽器のサクソフォーン(サックス)は音程の範囲が人間の声域に近く、人間の声に近いといわれます。人間が肉声をコントロールする仕組みと、サックスの音を生み出す構造が似ているのだとか…。サックスで言葉を語ることはできませんが、その音色は言葉を超えるメッセージも感じさせてくれる楽器です。

サクソフォーンが生まれたのは、1840年代の初めの頃。ベルギー人のアドルフ・サックスという人によって発明されました。だから、一般的に「サックス」と呼ばれます。クラシックでも使われる楽器ですが、特にジャズの世界ではサックスは花形楽器です。

ジャズの起源は100年前のディキシーランド・ジャズというのが定説です。そのときからサックスの人間的で豪快な音色は、人々を楽しませていたのでしょう。

近年のジャズでは即効演奏つまりアドリブが主体になり、演奏者の自由表現が聴かせどころになりました。ジャズのサックス演奏でも歴史に残る演奏者が多く現れましましたが、芸術性を求めて難解な音楽に発展したともいえます。「ジャズは難しくて聴かない」という人も少なくないでしょう。

心地いいサックスの名作「ワインライト」

ジャズをリラックスして楽しめる音楽として名作を残した演奏家に、グローバー・ワシントン・ジュニアというサックス奏者がいます。彼の代表作は、1980年に発表したアルバム「ワインライト」。40年近く前の作品ですが、その心地良さは時間の隔たりを感じさせません。

金色に輝くサックスと、グラスに入ったワインが置かれた写真のジャケットもイメージを膨らませて印象的。彼のサックスは歌詞のない歌声を聴いているようで、親しみあるメロディーはジャケットに写ったワインに酔うような味わいを感じます。

ワシントン・ジュニアは「ワインライト」を発表してから19年後、2000年のミレニアム・イヤー直前に56歳の生涯を閉じました。早世が悔やまれる才能ある音楽家でした。彼が残したリラックスできるジャズのスタイルは、今では「スムーズ・ジャズ」と呼ばれて人気を博しています。「ワインライト」は聴くたびに、目の前で奏でているようなサックスの音色に引き込まれます。「ジャズは難しい」と敬遠しているなら、ぜひ、聴いてほしい作品です。サックスの心地良さにリラックスできますよ。

サポーター

a. ユージ
a. ユージ
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