乳がん生活:患者力:患者力アップのヒント

乳房再建への道(1)

富士山にしますか? エベレストにしますか?

発見編でお話ししたように、全摘から2年間は再建できませんとのお達しがあった私は、この期間を利用して情報収集。当時、大きく分けてシリコン、自家組織(自分のお肉)などがありましたが、脂肪幹細胞なども始まっており、私としてはどこも切らずに脂肪幹細胞注入で行きたかったものの、胸の高さが出ないとのことでシリコンとの併用などがギリギリでした。

再建勉強会グループなどにもせっせと通い、そこで再建の体験談を聞いたり、実際に再建した胸の出来具合を見せていただいたりしました。情報を身をもってシェアしていただいた方々には感謝です。

患者会グループの体験談で、「シリコンが富士登山だとすると、自家組織再建はエベレストかなあ」とのお言葉あり、「私はエベレストに登ろうとしているのか?」と不安になりました。でも、本手術は2年後だし、自家組織再建の本手術は大変でも拒否反応も少なく、「温かい胸ができるよ」の言葉に登ってみますかエベレスト、と思っていました。

明るい先生たち

いままで乳がんの手術、治療の際には、「生存率が」という観点での話が多かったのですが、形成外科になると「どんなお胸にしますか?」というなんだか明るい話でびっくりしました。変な話、軽い感じの先生方も多く、間違いなく〈がん患者〉というところから、いきなり前向きで美や生活のQOLを高める方向へスイッチした感がありました。

自家組織再建のステップ

手術の段階は、次のように大きく3つに分かれています。
①エキスパンダーを入れる
②本手術
③乳頭乳輪をつくる

先生によっては、本手術後に修正など細かくされる方もいるようです。エキスパンダーを入れて2年ほどかけて徐々に皮膚を十分伸ばしてから、自分の脂肪をもってきて入れる本手術を受けるのが大体なコースでしたが、私の場合はたまたま入れる予定のエキスパンダーが入れられなかったこともあり、結局、半年ほどで「あれよあれよ」という間にエベレストに登ることになったのでした。

サポーター

Chicca
Chicca
マーケティングコンサル会社代表。
福岡県出身。高校時代に海外留学。大学卒業後、証券会社の海外勤務、内外化粧品会社マネジメント、事業開発、マーケティング、ラグジュアリーブランド、海外化粧品ブランド日本代表などを経て、現在に至る。
44歳のときに左乳がん発症。部分摘出、全摘手術の2度にわたる手術を経て、2年後に自家組織による再建に着手。2019年卒業。
趣味は、旅行、温泉、茶道、書道、着物、アルゼンチンタンゴ。

プロフィール