自分らしく
新しいクラシック音楽とは
ポスト・クラシック音楽
クラシック音楽の代表的な時代は、16世紀から18世紀にさかのぼります。偉大な作曲家、バッハ、モーツァルト、ベートーベンが活躍したのはおよそ200年以上も昔のことです。時を経てもクラシック音楽の魅力は色あせませんが、残念ながらベートーベンの新曲を聴くことはかないません。
しかし、現代でも新しいクラシック音楽が生まれています。それは「ポスト・クラシック」とよばれる音楽で、新世代の音楽家たちが活躍して注目を集めています。環境音楽やヒーリング音楽の要素を取り入れて、伝統的なピアノや弦楽器などで演奏される楽曲は、「現代の最先端の音楽」といえるでしょう。
ルドヴィコ・エイナウディの音楽
なかでも、巨匠と呼ばれる音楽家がイタリア人ピアニストのルドヴィコ・エイナウディです。伝統的なクラシックや現代音楽を習得した実力派ですが、ビートルズに影響を受けたという経歴の持ち主です。映画音楽も手がける作曲家で、フランス映画『最強のふたり』や日本映画『三度目の殺人』(是枝裕和監督)で彼の音楽を聴くことができます。
7枚のCDからなる『セヴン・デイズ・ウォーキング』という作品は、彼が7日間にわたり山道を歩き、感じたインスピレーションを音楽で表現した大作です。季節の変化や自然とのふれあいをピアノ演奏で表現しています。自然のなかを歩く体験を共有できる音楽世界です。
今年、新型コロナによるイタリアのロックダウン期間には、ライブ配信でピアノ演奏を世界に向けて披露していました。その演奏は、『12 Songs From Home』というアルバムにまとめられました。ささやくようなピアノ演奏は、世界を癒すような祈りと包容力にあふれています。
「ポスト・クラシック」も、何百年か先には「古典」とよばれるのかもしれません。
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