自分らしく

〈首都圏枝毛線巡礼〉(3)京成金町線

寅さんの故郷を走る電車

京成本線『京成高砂駅』2階の改札をいったん出て、ちょっと歩いた先の別の改札を入ると、『京成金町線』の専用ホームがあります。4両編成の電車が待っていますね。

『京成高砂駅』と『京成金町駅』の間2.5kmを結ぶ短い路線の中間に、唯一の中間駅である『柴又駅』があります。柴又は、あの『男はつらいよ』の寅さんの生まれ故郷です。おや、駅前に銅像がありますよ。寅さんの銅像ですね。近くには、妹のさくらさんの像もありました。

金町線の起源をたどると、明治32年に建設された『帝釈人車鉄道』に行きあたります。『人車』というのは、5~6人乗り程度の小さな客車を人が押して運ぶ鉄道です。明治の頃は、こうした人力の鉄道や馬が曳く鉄道が日本各地に作られたんだそうです。

明治42年、成田山や柴又帝釈天への参詣客を運ぶ目的で『京成電気軌道』(現・京成電鉄)が設立され、ルートが一部重なる『帝釈人車軌道』(明治40年に改名)を買収します。そして大正2年には人車の運行が終了し、人が押す必要のない電車が走り始めます。

常磐線と京成本線を短絡する便利な路線ということで、現在は沿線住民の日常の足となり、ラッシュ時だけでなく日中でも多くのお客さんでにぎわう路線です。

歴史を感じる参道を歩くと

柴又駅から帝釈天(経栄山題経寺)へ行ってみましょう。細い参道の両脇には、名物の『草だんご』を売るお店やお土産屋さん、飲食店などが軒を連ねています。高い建物は一軒もありません。この古びた門前町のたたずまいは、筆者の大好物です。境内に入ると、ゆったりとした読経が流れています。矢切の渡しは境内のすぐ裏です。

お土産は定番の『草だんご』。たっぷりと詰め込まれたあんこに、よだれが垂れそうです。

サポーター

老田道夫
老田道夫
フリーの編集/ライター。
主なフィールドはバレエ、鉄道、鉄道模型、70年代プログレッシヴ・ロック、古代史など。
近年は自費出版原稿のリライト、編集を主に手がける。好きな言葉は「棚からぼたもち」。

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