自分らしく

5拍子で大ヒットしたジャズの名曲

ジャズの常識をくつがえした名盤

“フォー・ビート”は、ジャズの代名詞でもあります。つまり4拍子は典型的なジャズのリズムといえます。その常識をくつがえして、名演奏を残したのはピアノ奏者デイヴ・ブルーベック(1920-2012)です。

ブルーベックがリーダーのカルテットで発表したアルバム『タイム・アウト』(1959)は、ほとんどの曲が4拍子以外のいわゆる“変拍子”で演奏した名盤です。ジャズは4拍子という固定観念を破り、3拍子や5拍子、さらに6拍子や9拍子からなるオリジナル曲を演奏した歴史的な作品です。

なかでも、5拍子で演奏された『テイク・ファイヴ』は世界的な大ヒットを記録しました。ジャズ曲が、ましてや変拍子の曲がポップスのヒット・チャートに登場するのは異例なことですが、5拍子が違和感なく躍動して多くの人の心をつかんだ出来事でした。

若者が支持した型破りなジャズ

当時の保守的なジャズ・ファンは必ずしも好意的ではありませんでしたが、大学生を中心とした若者から支持を集めました。

それまでジャズはナイト・クラブやバーで演奏される音楽でしたが、ブルーベック・カルテットの演奏活動は型破りだったようです。

全米の大学を巡回して演奏を繰り返して、クラシック音楽の殿堂といわれるニューヨークのカーネギー・ホールでもコンサートを行い大きな喝采を受けたのです。

私も何十年にわたり愛聴する作品ですが、ひそかな楽しみ方は聴きながら拍数を数えることです。5拍子は意外とやさしく、3+2、つまりワルツに2拍子を加えます。かたや、6拍子や9拍子の曲、さらに3拍子と4拍子が小節により入れ替わる曲などは難易度が高くて、私の“エア・指揮棒”は一向に上達しないのですが。

ところで、テレビ・ドラマや映画で人気を集めた『スパイ大作戦(ミッション:インポッシブル)』のテーマ曲(作曲ラロ・シフリン)も5拍子だというのはお気づきでしたか。

サポーター

a. ユージ
a. ユージ
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