自分らしく

〈首都圏枝毛線巡礼〉(11)JR東日本鶴見線 海芝浦支線

駅から出ることができない終着駅

今回は『鶴見線』のもう一つの支線、『海芝浦支線』に乗ってみましょう。鶴見駅からの直通電車は『浅野駅』で本線と分かれ、『新芝浦駅』を経て終点『海芝浦駅』に到着します。しかし、普通の乗客は、駅の改札口から出ることができません。なぜなら、改札の向こうは、東芝エネルギーシステムズという会社の敷地だからです。この工場に通勤する人、あるいは用事がある人だけが、改札を通ることができます。工場に関係のない乗客は、乗ってきた電車で折り返すしかありません。世にも珍しい、改札から出ることのできない駅なのです。

こうした珍しい駅であることに加え、運河に面していて海面が近くにあること、ホームから『鶴見つばさ橋』や『横浜ベイブリッジ』が眺められることなどが理由となって、2000年に『関東の駅百選』に選定されています。

改札から出ることはできませんが、ホームの階段を降りたところには『海芝公園』という小公園が設けられています。取材に訪れたときはたまたま時間が早く、施錠されていて入ることができませんでした。午前9:00からは入れるようです。

先にご紹介した大川支線のほうは旅客営業だけになってしまいましたが、こちらの海芝浦支線は、ごくたまにですが、工場に出入りする貨物列車が走るようです。そのための線路も残されており、昔ながらの工場引き込み線の姿を見ることができます。

スケールの大きさに圧倒される大本山總持寺

鶴見のお寺といえば、『曹洞宗 大本山 總持寺(そうじじ)』ではないでしょうか。広い境内は明るく、禅寺らしい簡素さ、清潔さが目に優しく映ります。本堂にあたる大祖堂のなかは千畳敷の畳が敷かれ、その広さは圧巻です。お釈迦様を祭る建物、仏殿は残念ながら工事中で近づくことができませんでした。

今回はお菓子屋さんが見つけられなかったので、お土産はなしです。すみません。

サポーター

老田道夫
老田道夫
フリーの編集/ライター。
主なフィールドはバレエ、鉄道、鉄道模型、70年代プログレッシヴ・ロック、古代史など。
近年は自費出版原稿のリライト、編集を主に手がける。好きな言葉は「棚からぼたもち」。

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