自分らしく
〈近畿圏枝毛線巡礼〉(7)南海電鉄 加太線

最後に車窓風景が一変
南海電鉄の『加太線』は、路線図では『紀ノ川駅』から分岐していますが、全列車がお隣の『和歌山市駅』から発着します。和歌山市駅で待っていたのは、2両編成の短い電車。発車するとすぐに紀ノ川を長い鉄橋で渡り、紀ノ川駅に到着します。電車はここから南海本線に別れを告げ、いよいよ加太線に入ります。6つある途中駅の最後『磯ノ浦駅』までは住宅地のなかを走る、ちょっとローカルな通勤通学路線のように感じます。
海側には日本製鉄和歌山製鉄所の巨大な施設も見え、この大工場に通勤する方の利用も多いそうです。磯ノ浦駅を出ると線路は右にカーブしはじめ、それとともに車窓の風景が一変します。突然、電車はモーターを唸らせて山のなかを走りはじめ、ちょっとした峠越えの雰囲気を味わせてわせてくれます。やがて視界が開け、坂道を下っていくと、終点の『加太駅』です。
現在、加太線では沿線の魅力を発信するプロジェクト『加太さかな線プロジェクト』が行われています。このプロジェクトの専用車両『めでたいでんしゃ』は、ボディに魚のラッピングが施されているだけでなく、内装も特別なものに変えられ、吊り革も魚やカニの形をした特製のものに取り替えられています。ピンク、水色、赤、黒の4種類があり、どれに乗れるかは、そのときのお楽しみです。
こころはずむ海へ続く道の散策
万葉集に「潟見の浦(かたみのうら)」として詠まれるなど、加太は古代から景勝地として知られた場所です。風情のある古い家並みが続く細い道を20分ほど歩くと突然視界が開け、紀淡海峡の海が眼前に広がります。その傍らに建っているのが、『淡嶋神社』。現在では人形供養で知られ、毎年3月3日には『雛流し』が行われます。神社の拝殿には、恐ろしいほどの数の人形が詰め込まれていました(写真)。
淡嶋神社から加太駅に戻る途中、『小嶋一商店』で、名物の『よもぎ餅』を買いました。パックのなかに、白いプラスチック・カップに入った緑色のよもぎ餅が5個入っています。口に含むと、よもぎの香りがパッと広がりました。
サポーター

- フリーの編集/ライター。
主なフィールドはバレエ、鉄道、鉄道模型、70年代プログレッシヴ・ロック、古代史など。
近年は自費出版原稿のリライト、編集を主に手がける。好きな言葉は「棚からぼたもち」。
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