乳がん生活:乳がんについて:副作用

〈脱毛問題〉(3)生え始めから地毛デビュー準備

抗がん剤治療終了後、チリチリの縮れ毛が2か月ほどで生え始め

抗がん剤治療後、2か月くらい経ってから何となく生え始めました。以前の髪質とは異なり、チリチリと縮れたような硬い毛質です。

生え始めは昔の野球少年みたいな五分刈りの頭でしたので、しばらくは今までどおりのウイッグ生活です。そのうち2〜3センチ伸びてきましたが、特に後頭部の毛量が多くウイッグに収まりが悪い感じ。そこでウイッグ用ネットをかぶって、毛量を抑えてからウイッグを着用していました。

放射線治療も終わり抗がん剤治療から4か月経った頃、ヘアカラーを始めました。頭皮が敏感だったので、信頼しているカラリストのTSUKASAさんにお願い。ヘアカラーができる自分がちょっと嬉しかったことは、はっきり記憶しています。

地毛のカットは抗がん剤治療から7か月後

カラーは4か月経ってから定期的に行うようになりました。その頃、地毛も後頭部はだいぶ伸び放題になり、治療後7か月後、初めてのカット。抗がん剤を始めたときからちょうど1年後だったので、治療始めの不安だった気持ちを思い出していました。

後ろとサイドをだいぶカットして、ウイッグがフィットしやすくなりました。肝心のフロント部分の伸びが遅く、まだしばらくウイッグは手放せない状態です。

地毛デビューに備えて、ウイッグ2つ追加購入

近い将来の地毛デビューに備え、ショートのウイッグで自分や周囲の人の目を慣らそうと、3つ目のウイッグを購入しました。『ウイッグな帽子』という商品で締め付けがなく、帽子をかぶるような感じで着用できる簡易なもの。15,000円でした。1個につき10%が国立がん研究センター中央病院へ研究費として寄付されるそうです。国立がん研究センター中央病院アピアランス支援センターと東京義髪整形というウイッグメーカーのコラボ商品です。

▼ウイッグな帽子
http://orange-boushi.com/

さらに、後ろの髪が十分伸びてきたので、フロントをカバーするため4つめのウイッグと部分ウイッグの購入に約1万円を投入しました。抗がん剤治療、約1年後のことです。フルウイッグとは違ってやはり締め付け感もなく、やっと軽い気持ちになれました。3つ目、4つ目はインターネットで購入しました。

ウイッグにニックネームをつけて、気を紛らせていました

笑われると思いますが、4つのウイッグにニックネームをつけて、それぞれの名前で呼んでいたんです。生まれて初めてウイッグを着用し始めて、最初のころは「どうしてこんな面倒なことを」と毎朝着用のたびに悲しい気持ちになっていました。あるとき、「名前をつけて、一緒に出かけるような気持ちで着用したらどうだろう」と思い立ったのがきっかけでした。

「今日はリコちゃんと出かけましょう」といった具合です。誰かに聞かれたら笑われるような、馬鹿馬鹿しいことだと思いましたが、ウイッグ着用で外出するだけで気が重くなっていた自分の気が紛れるようで、なんとなく明るく過ごせたような気がします。

サポーター

緒方佳美
緒方佳美
外資系企業数社を経て退社。
その後、乳がん発症。トリプルネガティブと診断され、術前抗がん剤治療、部分摘出手術、放射線治療を経験。家族にもがん体験者あり。治療中から、がんと仕事の両立支援や、がん体験者のための支援活動を考える。乳がん体験者コーディネーター(BEC)認定。
2018年10月、株式会社オフィスオガタ設立(人材紹介・コンサルティング業)。
多様性を認める社会形成への貢献を意識し、東北支援活動、地元の景観まちづくりの会での活動を通じて地域とのつながりも大事にしている。

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