自分らしく

〈洋楽ポップス回顧録〉 (6)クロコダイル・ロック Crocodile Rock

ベースが格好ええストレートなロックンロール

『クロコダイル・ロック』 (Crocodile Rock) は、イギリス出身のシンガーソングライター、エルトン・ジョン(Elton John)の楽曲です。1972年6月にフランスで録音され、1973年発表のアルバム『ピアニストを撃つな!』(Don’t Shoot Me I’m Only the Piano Player)の先行シングルとして発売されました。全英シングルチャートでは最高5位を記録し、全米シングルチャートでは自身初の1位を3週連続キープするという記録を残しています。

作詞は、エルトンの盟友ともいわれるバーニー・トーピン。この曲のほか、『僕の歌は君の歌』(Your Song)、『キャンドル・イン・ザ・ウィンド』(Candle in the Wind)、『グッバイ・イエロー・ブリック・ロード』(Goodbye Yellow Brick Road)、『ダニエル』(Daniel)といった1970年代ヒット曲の作詞を手がけています。

私がシングル盤を購入したのは、確か中学生のころです。その前にもラジオの深夜放送で聞いていましたが、実際にプレーヤーの針を落としてみると、「まさにストレートなロックンロールじゃ」という感じ。さらに聞き込んで「ベースラインが格好ええ」とも思えるようになりました。

ロックと青春時代を過ごした主人公が架空の曲

『クロコダイル・ロック』は、エルトンが1972年のオーストラリア・ツアー中に聞いた『イーグル・ロック』(Eagle Rock)にインスパイアされて生まれています。内容はロックと青春時代を過ごした主人公が架空の曲『クロコダイル・ロック』との思い出を振り返るというノスタルジックなもので、実在する曲が登場します。

●ロック・アラウンド・ザ・クロック(Rock Around The Clock)
1950年代、ロックンロールブームの先駆けとなった曲。アメリカのミュージシャン ビル・ヘイリー(Bill Haley 1925-1981)が歌っています。

●ヘイ・ラウディ・ママ(Hey Lawdy Mama)
1934年にブルースシンガー バディ・モス(Buddy Moss 1914-1984)によって歌われた曲。その後、ルイ・アームストロング(Louis Armstrong 1901-1971)などの多くのジャズミュージシャンが演奏するようになりました。

ちなみに大ヒットしたこの曲について、エルトン・ジョン自身は「使い捨てのポップで、15年経っても演奏したくない」と語っていましたが、2010年のポルトガルでのコンサートのセットリストにも入っていたようです。これは『クロコダイル・ロック』が『僕の歌は君の歌』とは違ったエルトンの代表曲として、世界中で聞かれるようになった証拠だといえるのではないでしょうか。

※この原稿を書く前日、同郷の広島県人と話した影響があり、一部が突然の広島弁になっております。

▼クロコダイル・ロック Crocodile Rock
https://www.youtube.com/watch?v=uMy-Z9f9N8g

サポーター

重森 光
重森 光
紙媒体・Webサイトの編集者・ライター。ひたすらロックとヨーロッパサッカーを趣味として湘南で暮らす。じじいバンドでは、ドラムを担当。

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