自分らしく
〈首都圏枝毛線巡礼〉(9)西武鉄道西武園線
競輪場アクセスから通勤路線へ
高架化工事たけなわの『東村山駅』から分岐する『西武園線』は、駅の北の端にある専用ホームから発着します。工事の関係でそうなっているようなのですが、他線から乗り換えるにはちょっと歩かなくてはなりません。『東村山駅』を出発した4両編成の電車は左に大きくカーブし、都立八国山緑地と北山公園の樹々のあいだを抜け、数分で終点『西武園駅』に到着します。途中駅はありません。
『西武園線』の歴史を書き始めると、複雑すぎてとうていこのスペ―スでは書ききれませんので、ごく簡単に触れるにとどめます。戦時中の休止期間を経て戦後に復活したこの路線は、1950年に『村山競輪場』(現在の西武園競輪場)の開設が決まるとそのアクセス路線として活用されることになり、新たに『西武園駅』が開設され、ここが終点となりました。現在では競輪場へのアクセスのほか、周辺に増えてきた住宅に住む方々の通勤の足としても重要な役割を担うようになっています。
関東で唯一の国宝木造建造物
帰りは電車に乗らず、『西武園駅』からのどかな道をぶらぶら歩き、途中の『金剛山 正福寺』へ。禅宗のお寺らしい清楚なたたずまいの境内には、1952年指定の国宝『地蔵堂』が建っています。室町時代の応永14年(1407)の建立で、代表的な中規模禅宗仏殿だそうです。中には数多くのお地蔵さまが安置されており、地元では『千体地蔵堂』と呼ばれていますが、公開されるのは年に3回だけとか。訪れた日はお堂の外観だけを拝観しました。
お土産は『正福寺』から歩いて5分ほどのところにある和菓子屋さん『清水屋』の、『千体地蔵最中』です。お地蔵さまがあしらわれた5cm四方の最中のなかには、甘さ控え目の粒あんと牛皮がぎっしりと入っています。お地蔵さま、頭からかじってごめんなさい。
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主なフィールドはバレエ、鉄道、鉄道模型、70年代プログレッシヴ・ロック、古代史など。
近年は自費出版原稿のリライト、編集を主に手がける。好きな言葉は「棚からぼたもち」。
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