乳がん生活:患者力:患者力アップのヒント

入院時の利便性で癒されるグッズたち(2)

入院時の履物について

入院時の履物はとても大切です。病院からの指示もあるからもしれませんが、スリッパではなく、かかとのあるものを選んでください。さっと履けて危なくないもの、そして歩きやすいものを基準に考えてくださいね。クロックスのようなものがお勧めです。 

「そんなに歩くわけでないから、何でもいいのでは」と思っていませんか? 部屋のなかの移動だけでなく、術後は身体の回復のためにも、毎日、結構な距離を歩きます。ふだんの生活ではあまり意識していませんが、歩くことって全身運動…術後の腸の改善や、癒着を防ぐ効果もあります。足にストレスをかけることなく歩けるように、用意してくださいね。

歩く練習は、術後翌日から始まることが多いです。最初は付き添ってもらって点滴棒と共にソロソロと歩き始めますが、だんだんと距離は伸びていきます。私の入院していた病院では、ナースステーションを起点とした病棟1周が100メートルでした。病棟3周を1回の目安にして、それを少しずつ増やしていき1日10回くらいやると、3キロ! それくらい歩けるようになると、身体もどんどん元気になっていきます。

靴下と手ぬぐいのすすめ

ベッドでの生活ではあまりいらないように思えますが、靴下もぜひ用意してください。足首にゴムの入っていない柔らかなものを選んでおけば、むくんだりしていても大丈夫。ゆるゆるの靴下はさっと履けて、急な見舞客へも素足を見せることなくすみます。もちろん足先の冷え対策にもなりますね。

入院のお供としてお勧めなのは、大きめのクロスや手ぬぐいなど。タオルは洗面やいろいろな場面で必須なのですが、食事の際はタオルではなく布の方がかさ張らず使いやすいのです。ベッド上で食事をする際は気をつけていても、ちょっとこぼれたりしてシーツやパジャマに染みをつくってしまったりするもの。そんなときに限って、なかなかシーツの交換もできなかったりして憂鬱な気分になりがちです。食事の際、首元からクロスや手ぬぐいをかければ、ちょっとしたこぼれもすぐに吸い取ってくれて安心です。

術前術後の検査着のように首元が開いている場合も、薄いクロスでカバーできると自分でも気になりません。友人が手術を受ける際は、彼女の好きなパンダの柄の手ぬぐいをお見舞いセットに忍ばせました。最近は本当に色柄多彩な可愛い手ぬぐいも揃っていますので、好みのものを選んでいけば気分も上がります。もちろんお見舞いプレゼントにも最適です。

サポーター

笹田紀子
笹田紀子
笹田紀子作文レッスン主宰。
小中学生の作文指導、大学AO受験論文対策、就活ES添削など、書くことに自信をもたせるレッスンに10数年取り組む。幼小お受験指導では、若いご両親へ先輩としてのアドバイスも。
2011年、夫を末期の膵臓がんで見送る。抗がん剤、緩和ケアなど、共に歩んだ経験から闘病中のご家族の相談を受けることも多い。
趣味とする舞台観劇、宝塚やミュージカルなどからパワーを注入。

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