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夕方以降のうたた寝がNGなワケ

皆さん、よく眠れていますか? 睡眠改善インストラクターの江川です。今回のテーマは『夕方以降のうたた寝がNGなワケ』です。

気持ちいい「うたた寝」には要注意

皆さんもこんなシーンを見たことはありませんか? 夜にリラックスして、TVを見ながらウトウトして寝てしまっている人です。とっても気持ちよさそうですよね。

しかし、このうたた寝が夜の睡眠に影響を与えることがあります。夜になかなか寝つけない。その原因が「夕方以降のうたた寝や仮眠」ということがよくあるのです。「よくうたた寝をしてしまう」という方もいらっしゃるかもしれませんが、うたた寝に注意が必要な理由をご紹介します。

私たちは朝からずっと起きていると、だんだんと疲れが溜まっていき、夜に眠くなります。誰だって起きている時間が長くなると、眠くなります。このとき「脳内ではアデノシンという眠りを誘う物質の濃度が高まっていき、眠気が引き起こされる」と考えられています。起きている時間が長くなるほど、砂時計の砂ように脳内にアデノシンが溜まっていき、アデノシンがいっぱいになると「もう限界。起きていられない」という状況になって眠るわけです。そして「眠るとアデノシンは減る」ということも分かっています。

ですから、夕方以降にうっかりうたた寝をしてしまって寝過ぎてしまうと、朝から脳にたまってきたアデノシンが減り、再び眠気が溜まるまで待たなくてはなりません。「寝つきが悪い」という人のなかには、夕方以降にうたた寝や仮眠をし過ぎてしまっている人もいらっしゃいます。

「ランチ後の仮眠」が夜の寝つきをよくする

特に「夜にしっかり睡眠が取れていない方」「慢性的な疲れのある方」は夕方以降に眠気や疲労が限界になり、長いうたた寝をしてしまうことがあります。確かにうたた寝は気持ちがいいですが、夜の寝つきをよくするには夕方以降のうたた寝は防ぎたいのです。

そこで、夕方以降のうたた寝のし過ぎを防ぐためにおすすめなのが「ランチ後の仮眠」です。昼食後や午後の早い時間帯に予防的に仮眠をとるわけです。たとえ10分15分程度の仮眠でも多少は疲れもとれて、眠気が減ります。すると「夕方や夜TVを観ながらのうたた寝」を防ぐための役に立ちます。午後3時ぐらいまでなら30分〜45程度の仮眠であれば夜の睡眠への影響は少ないので、「夕方以降につい眠り過ぎてしまう」という方は前倒しで短い仮眠をとっちゃいましょう。

サポーター

江川信吾
江川信吾
1985年生まれ。睡眠プランナー。
製薬会社で医薬情報担当者として、医師や薬剤師に睡眠薬や抗うつ薬などの医療用医薬品の情報を提供。その後、独立し医療や介護の新規事業の立ち上げに伴う市場調査や販路拡大のコンサルタントとして活動。
さらにCPAP(睡眠時無呼吸症候群)療法士、睡眠コンサルタントの資格を取得し、睡眠プランナーとしても活動している。
東北の「果物、野菜、温泉、自然」の魅力にハマっている。

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