自分らしく
未来からきたロックンロール
ロックンロールの誕生
ロックンロール(Rock‘n’roll)は、1950年代に熱狂的な人気をあつめて、その後の文化や社会にも大きな影響を残した音楽といえます。「騒音」と非難されることもありましたが、熱中した世代にとってはいつまでも胸が躍る音楽です。
アメリカ映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)のなかで、主人公はエレキ・ギターをかき鳴らしてロックンロールをステージで演奏します。1955年の出来事として描かれていますが、タイムスリップしてきた主人公が30年後の未来で知っていた曲を披露するという奇抜な筋立てでした。ロックンロールの誕生を思わせて、だれもがノリのいい音楽に踊り出す印象的な場面です。
タイムマシンのような音楽
その時代の事実として、ディスク・ジョッキーのアラン・フリードという人がラジオ番組で「ジャンプしてシャウトしよう! 夜通しロックンロールしよう!」と叫び、ロックンロールの名付け親になりました。そのラジオ番組は、黒人アーティストの曲を白人リスナーへ発信する当時としては画期的な番組だったといわれています。
くだんの映画で演奏されたのは、1958年に大ヒットしたチャック・ベリーの『ジョニー・B・グッド』で、ロックンロールの代名詞といっていい曲です。劇中では興奮したステージの司会者が、ある人物に電話をかけてその曲を聴かせます。電話の相手に「チャック!」と呼びかけるのを、音楽ファンなら聞き逃さなかったはずです。
あの時代のロックンロールが今でも輝いているのは、はじめから「未来」の音楽だった証ではないでしょうか。新しさを失わない音楽はタイムマシンのようなものかもしれませんね。
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