自分らしく

とら

とら

さっきからずっと
行ったり来たり
行ったり来たり
九歩でなめらかに向きを変え
速くも遅くもなくただ歩く
ときどき
喉の調子を確認しているのか
不機嫌そうに吠える

いつか動物園を出たら
蹴って飛び出し
掴んで飛び上がり
密林で生存するリズムを
取り戻すのだろうか

「うし年」から「とら年」へ。今年も年が変わるときの楽しみとして、カレンダーのかけ替えがあります。めくられて最後の1枚になったものを丁寧にはずして、新年のものに取り替えると、しみじみとした気持ちになります。

家に絵を飾りたくてもなかなかスペースがなかったり、飾った絵を季節に合わせて掛け替えたりという時間がなかったりしても、カレンダーなら手軽ですし、忘れずにめくっていけばそのたびの驚きも味わえます。

我が家で一番大きなカレンダーは大好きなイラストレーター内田新哉さんの不織布のものです。とてもお天気のよい空の下、どこか外国の街並みと花がたくさん、そして、自転車と麦わら帽子が主役ですが、人物は見当たりません。絵のなかを風が吹き抜けているようです。12ヶ月すべての月が一覧できます。これを貼ることのできる壁が我が家には見つからないため、自分の机の真上の天井に貼っています。いつでも上を見上げれば1年間を見渡せるだけではなく、イラストの奥の方に視線を休ませることができます。

階段の途中にはこの5年間ほど毎年下げているカレンダーがあります。オーストラリアに出かけたときに文具屋さんで買ったものです。毎月、花やら木やらサボテンやらツル植物やらが、スタイリッシュなデザインで一面に広がっていて、惚れ惚れします。これをプリントしたBeau Est Mienというスタジオを検索してみると、既にクローズしまったことがわかりました。そこで毎月のカレンダーの数字部分だけ自分で作って貼り変えることによって毎年使っています。

他には、トイレと台所とテレビ横と卓上、そして廊下の穴あき壁を塞ぐためにもカレンダーは活躍。江戸千代紙、ムーミン、風景写真など、家族も自分の好きなものをあちこちに貼っています。

新顔は、あまりにも薬を飲むことを忘れる自分のために、エクセルで自作したカラフルなA5サイズの薬カレンダー。各日に錠剤をテープで貼って、ただテーブルに置いておきます。朝食をちゃんとテーブルで取りさえすれば飲み忘れないし、「忘れた日も一目瞭然」ということでこのアイディアを気に入っています。

サポーター

みやもと おとめ
みやもと おとめ
詩人。
本業は体育大学・ダンス学科教員。大学生たちがダンスを好きになり、さらに自信をもって子どもたちにダンスを教えられる指導者として育つことを願い、教育と研究に取り組む。

プロフィール