自分らしく
想庵にて
長年の夢「庵」
子どもの頃、学校で習った『徒然草』や『方丈記』。作者が「庵」に住んでいたというのが、何やら興味深く、魅力を感じていました。
父亡き後、我が家の近くに小さな家を建て母が引っ越してきました。そして母も亡くなり、その家を庵に見立てることにしたのです。名付けて「想庵」(そうあん)。週に2日程ですが、ゆったり季節を感じる時間を手に入れることになりました。
2匹の猫と小さな庭
母は2匹の猫、ハナちゃんとミキちゃんと暮らしていました。双子の姉妹の黒猫で、両手足の先だけ白く靴下をはいているみたいです。母亡き後も、2匹は想庵でのびのび暮らしています。
モミジや紫陽花、椿、ムラサキシキブ…。小さな庭の木々たちが移り行く季節を教えてくれます。
「結ぶ」ということ
病を得、今までの詰め込み過ぎの生活を見直すのに、想庵はぴったり。静かな時間を満喫していますが、時折、気の合った友人が訪れます。そして、新たな人と人との結びつきもできてきました。
庵は「建てる」とか「作る」というのではなく、「結ぶ」というのだそうです。庵を結んだら、「人を結ぶ」につながってきたようで、何だか楽しくなってきました。
サポーター
- 東京都出身。
〈がん〉発症を機に、都内の病院内がん患者サロンの立ち上げ・運営に関わる。
その後、同院内に『がん情報センター』が開設されたので、それまで勤務していた高校教諭の職を離れ、がん情報ナビゲーターとして病院に勤務(2022年3月まで)。
現在は、若い頃から親しんできた日本舞踊、江戸小唄、古典文学をはじめとした日本の伝統文化を紹介、楽しむ場『想庵』を運営。
プロフィール
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