乳がん生活:患者力:患者力アップのヒント

ジェットコースターの日々(2)

2018年12月〜1月

「検診センターの方の1本の電話」をもとに婦人科のクリニックより、居住地、出身地、希望の治療病院などを丁寧にヒアリングいただき、大学病院を紹介いただきました。ここからいよいよジェットコースターの日々、検査、入院、手術が始まりました。もうすでに肉眼で確認できるレベルだったとのことで、検査予約はスムーズにMRI検査、PET検査、そして手術の相談、術前説明へと進んでいきました。

2019年2月

1月末で仕事を休職させていただき、2月1日より大学病院に入院。子どものころから健康が唯一の自慢だったので、人生初めての入院に友人からのアドバイスや書籍の情報をもとに入院に備えました。

そのとき役に立った本が友人からいただいたのが藤河るり作の漫画『元気になるシカ』『元気になるシカ2』です。これは藤河さんご自身が〈卵巣がん〉を告知され前向きに闘病された様子、入院中の細やかな出来事、退院後の付き合い方などが分かりやすく描かれた漫画で、私には非常に役に立ちました。

初めての手術が開腹手術だったため、あまり病院食を経験することなく手術日の2月5日を迎えます。広汎子宮全摘という術式で7時間の手術の予定でしたが、5時間半で終えたそうです。そのときは麻酔もしておりましたし、記憶もなく、酸素マスク独特のゴムの匂いで目がさめたことを今でも覚えております。だいぶ熱が上がっていたようで、術後、2〜3日が一番苦しかったことも記憶から消えませんね。

子宮温存に関して

同じ世代で〈がん〉の経験を話す際、子宮について訊かれることがあります。私の場合は〈がん〉告知を受ける前、ある程度、肉眼でも確認できるレベルだったとのことで、クリニックの先生から「子宮切除の可能性あり」と既にうかがっていました。そのため、悩むことなく子宮の全摘出を決断しました。37歳の独身女性でがむしゃらに働いているという当時の状況も、その決断を迷わせない現実だったと思います。

とはいえ、その後、結婚した当初は「なぜ、あの当時、もっと早く病院に行かなかったのか」という悔やむ気持ちもありましたが、自分自身の人生、今は受け入れることができるようになったと思っています。

次回は、『リハビリと抗がん剤治療』について記載したいと思います。

サポーター

亀谷温子
亀谷温子
一般社団法人イシノマキ・ファーム職員。大学卒業後、宝飾店勤務を経て民間教育系企業にて教室運営に携わり、本社勤務時の2019年1月 36 歳のときに〈子宮頸がん〉ステージIbを発症。広汎子宮摘出手術により子宮全摘出。排尿障害を経験後、リスク回避として〈抗がん剤〉治療を3回実施。脱毛を経て仕事復帰後の 2019 年 9月に石巻に3度目の訪問をし、石巻の空の青さに惹かれて移住を決意。2021 年 10 月に結婚と同時に移住し、現在に至る。〈がん〉と就労、復帰後のケアについて、また「農業」のリカバリーの可能性を感じ、日々学び中。

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