自分らしく
〈バレエへの招待〉(2)クラシック・バレエ作品のなかの踊り Part 2
個性派ダンサーが光るソロ
クラシック・バレエ作品のなかには、重要な脇役が一人で踊る踊り(ソロ)がしばしば登場します。こうした踊りの踊り手には、バレエ団のなかでも個性が強かったり、一芸に秀でていたりする人が選ばれたりします。
今をときめくKバレエカンパニーの芸術監督、熊川哲也さんは、英国ロイヤル・バレエ団に所属していたころ、そのジャンプ力と回転力を買われ、『ラ・バヤデール』という作品のなかに登場する「ブロンズ・アイドル」(金色の仏像)を
当たり役としていました。
半裸の全身を金色に塗り、難易度の高いジャンプや回転技を軽々と披露する熊川さんに、当時の観客は熱狂したといいます。
いろいろな踊りが楽しめるディヴェルテスマン
『白鳥の湖』『くるみ割り人形』『眠りの森の美女』などのクラシック・バレエ作品には、最終幕に物語とは直接関係のない踊りが詰め合わせのように盛り込まれています。
たとえば『眠りの森の美女』の3幕では、さまざまな「宝石の踊り」のほか、「白い猫と長靴を履いた猫」「赤頭巾と狼」「シンデレラとフォーチュン王子」「フロリナ王女と青い鳥」が踊られます。
これは「ディヴェルテスマン」といって、直訳すれば「余興」。文字どおり舞台を盛り上げ、観客を楽しませるための演出です。
「クラシック・バレエ作品の長さに慣れていない」という方には、まずDVDなどで、この最終幕の「ディヴェルテスマン」とその後に続く「グラン・パ・ド・ドゥ」だけを観る、という方法もお勧めです。
サポーター
- お笑いバレエ・ライター。
子どもの頃からの憧れだったクラシック・バレエを30代から習い始める。この経験をもとにバレエ誌に寄稿するようになり、その後、バレエ関連のライターとして活躍中。
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