バレエのなかで重要な位置を占める民族舞踊

バレエ作品のなかには、庶民のあいだで踊られていた民族舞踊を取り入れたダンスがしばしば登場します。たとえば『眠れる森の美女』第3幕のラストに踊られる『終曲』では、ポーランドの民族舞踊である『マズルカ』のステップを楽しむことができます。

もともと王族や貴族がたしなむバレエと、民衆の生活のなかから生まれた民族舞踊はまったく異質のもののように感じます。しかし、バレエの始まりは民族舞踊のステップから生まれたという説もあるほか、これまでの歴史のなかでさまざまな国の民族舞踊からそのエッセンスが取り入れられ、発展してきました。

バレエでは、作品に取り入れられた民族舞踊を『キャラクター・ダンス』と呼び、先にあげた『マズルカ』を含め、『タランテラ』と『チャールダーシュ』が3大キャラクター・ダンスと呼ばれています。

南イタリア起源の『タランテラ』は速いテンポが特徴の6拍子もしくは3拍子の踊りで、バレエ『ナポリ』に登場する踊りが有名です。ハンガリーに起源をもつ『チャールダーシュ』はゆっくりとしたテンポで始まりしだいに速くなるのが特徴で、『コッペリア』や『白鳥の湖」、『ライモンダ』のなかの踊りが親しまれています。

バレエ・ダンサーの必須科目

著名なバレエ作品には、キャラクター・ダンスが必ずと言っていいほど登場します。そのためバレエ・ダンサーになるには、その長いトレーニングのなかで必ずキャラクター・ダンスのクラスを受けてその動きを習得しなければなりません。

このクラスでは、女性はトウシューズではなく、ヒールのついた『キャラクター・シューズ』という特別な靴を履きます。これを履くと、キャラクター・ダンスの重要なステップである両方のかかとどうしを打ちつけるという動作で、乾いた良い音が出ます。

サポーター

加集 大輔
加集 大輔
お笑いバレエ・ライター。
子どもの頃からの憧れだったクラシック・バレエを30代から習い始める。この経験をもとにバレエ誌に寄稿するようになり、その後、バレエ関連のライターとして活躍中。

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