自分らしく

首都圏枝毛線巡礼 (1)東武大師線

半分ヤケで参詣電車に

首都圏の鉄道には、本線から分かれてほんのわずか走っただけで終点に到着してしまう、まるで「枝毛」のような路線がいくつか存在します。そんな枝毛線に実際に乗ってみるとともに、沿線の寺社に参拝してお土産を買うという、ユル~い企画をやってみたいと思います。どうか呆れずに最後までお付き合いください。

いちばん最初にご紹介するのは、『東武伊勢崎線』の西新井駅から分かれる『大師線』です。2両編成の短い電車が西新井駅を出発すると、3分も走らずにもう終点、大師前駅です。2階のやたらに広いホームから階段で降りると改札口ですが、駅員さんもいなければ、切符売り場もありません。改札や精算はすべて西新井駅の通路で済ませます。

駅の目の前は、西新井大師。というより境内のなかに駅がある、といった風情です。現状から見れば、この路線は西新井大師への参詣客のためにつくられたように見えます。ところがこの路線、当初は東武鉄道の2大幹線である『伊勢崎線』と『東上線』を結ぶという壮大な目的で計画されものだったのです。ところが線路を敷く用地の買収がうまく進まず、「こうなったら西新井大師への参詣客でも運ぶか」と、半分ヤケでつくられたというわけです。現在は沿線住民の足となって、ほぼ10分間隔で行ったり来たりをくり返しています。

厄除けのお大師様へ

せっかくですので、西新井大師(五智山遍照院總持寺)にお参りしていきましょう。境内には立派な本堂のほか、内部がらせん構造になっている三匝堂(内部非公開)や弘法大師様の像など、見どころがたくさんあります。

お土産は、参道にある「まめ屋」の黒まめゼリーです。上品な甘さが、あとをひきますよ。

サポーター

老田道夫
老田道夫
フリーの編集/ライター。
主なフィールドはバレエ、鉄道、鉄道模型、70年代プログレッシヴ・ロック、古代史など。
近年は自費出版原稿のリライト、編集を主に手がける。好きな言葉は「棚からぼたもち」。

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