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〈首都圏枝毛線巡礼〉(2)東武亀戸線

枝毛線には贅沢な複線の謎

前回に引き続き、東武鉄道の枝毛線である亀戸線をご紹介します。通勤電車や特急電車が数分ごとに行き交う、『東武伊勢崎線』の曳舟駅。その端っこにある小さな5番線ホームから、2両編成の電車が出入りしています。これが、『東武亀戸線』です。

曳舟駅を出ると、線路は複線(上下線の列車がそれぞれ別の線路を走る)になります。でも、たった3kmあまりの距離を2両編成の電車が行き来するだけの亀戸線が、なぜ複線になっているのでしょうね? 過剰な設備投資のように思えます。

答えは、東武鉄道の歴史にありました。明治30年に設立された東武鉄道は、いろいろな事情で都心側のターミナル駅をどこにするか決めることができず、紆余曲折の末、ようやく明治37年に亀戸までの路線を建設し、そこから総武鉄道(現在の総武線)に乗り入れて両国橋駅に達することができました。つまり亀戸線は、かつては東武鉄道の本線で、複線はその名残というわけです。

現在の亀戸線はかつて本線だった面影は薄れ、本線をお役御免になった古い電車が、近所に住むお客さんを乗せて下町の住宅地を毎日ゆっくりのんびりと走っています。

下町の天神様へ

亀戸駅から15分ほど歩いたところに、菅原道真公をお祭りした亀戸天神社があります。境内の池にかかる2つの太鼓橋を渡ると、拝殿の横に大きな牛の像があります。自分の悪い場所を撫でると病気が治るという、ありがたい牛の像ですよ。

お土産は、亀戸の物産を販売する『亀戸梅屋敷』で買った亀形のどら焼きです。

サポーター

老田道夫
老田道夫
フリーの編集/ライター。
主なフィールドはバレエ、鉄道、鉄道模型、70年代プログレッシヴ・ロック、古代史など。
近年は自費出版原稿のリライト、編集を主に手がける。好きな言葉は「棚からぼたもち」。

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